2003年10月24日(金) 13時55分

ヤミ金融：今年前半　被害額約１７４億円　過去最多に（毎日新聞）

　警察庁によると、今年６月までの半年間でヤミ金融による被害者は約１６万６０００人、被害額は１７３億７０００万円に上った。過去最多だった昨年１年間の被害者数、１２万２０００人を半年間で上回っている。警察当局の摘発も増え、今年９月の検挙件数は１２５件で、昨年１年間の総検挙件数２３８件の半数を超えている。

　ヤミ金融の撲滅と被害救済に取り組む「全国ヤミ金融対策会議」の代表幹事、宇都宮健児弁護士は「ヤミ金融の被害は依然として増えている」と指摘する。罰則が強化された改正出資法・貸金業規制法が一部施行された９月以降、弁護士や司法書士の活動が手薄な地方で被害が増えている。

　今年６月１４日、執ような取り立てを苦に「悪徳業者のため悔やしいですが死にます」との遺書を残して、大阪府八尾市の夫婦ら３人が心中した。全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の調べによると、その後も取り立てを苦にした自殺は後を絶たない。判明しただけでも十数人にのぼり、大阪府の４人、東京の３人を含め、愛媛、福岡、石川、神奈川、宮城など地方にも及んでいる。

【田中義宏】

［毎日新聞１０月２４日］ ( 2003-10-24-13:55 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031024k0000e040070000c.html