悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年10月24日(金) 17時31分

電子メール利用全般におよぶスパムの悪影響WIRED

 ほとんど誰もが予想していた通りの結果を示す最新の調査報告が発表された。日常的に洪水のように押し寄せてくるスパム(迷惑メール)のせいで、ユーザーは電子メールを敬遠したり、オンラインの時間をあまり楽しめなくなっているという。

 『 http://www.pewinternet.org/ ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクト』による新しい調査は、このしつこく続く問題が、一般大衆にどのような被害をもたらしているかを報告している。

 調査結果によると、調査対象者の25%はスパムメールが我慢できないため、電子メールを以前より利用しなくなったという。必要なメールが、大量の不要なメールにまぎれてしまうことを心配する回答者もいた。また、スパム作成者が友達や家族のメールアドレスを勝手に使っている可能性があるため、メール自体を信用できないという回答もあった。

 さらに、電子メール利用者の70%が、スパムのせいでインターネット体験が不快になったと答えている。

 ピュー・インターネット・プロジェクトの上級研究員デブ・ファローズ氏は次のように述べている。「ここからわかるのは、インターネットの利用体験全般に変化——価値の低下——が起きているということだ。スパムは電子メールに損害を与えているし、電子メールとインターネットに対する人々の信頼も損ねている。利用者の半分以上が、スパムのせいで電子メールを前ほど信用できなくなったと回答している」

 「スパムがもたらす、だまされたという感覚は従来とは違った新しいもので、電子メールという存在全体をとりまくイメージに変化をもたらしている。ユーザーは、恐怖や不安を抱えながら電子メールに接している」

 今回の調査は、ランダムに選び出した18歳以上のインターネット利用者1380人を対象に、電話による聞き取りで行なわれた。

 この調査結果は、スパムの蔓延を阻止しようと取り組んでいる立法関係者、ハイテク業界、訴訟に関わっている人たちの役に立つかもしれない。

 しかし、津波のように押し寄せるスパム問題を解消するのは難しいだろう。調査では、回答者がさまざまな定義でスパムを捉えていることが判明した。たとえば、電子メール利用者の92%は、知らない送信者から承諾なしに送信されてくる広告メールをスパムとみなしているが、32%は、これまで買い物をしたことのある相手からの未承諾広告メールもスパムだとしている。

 11%は、メールを送信する許可を与えた企業からのメールであってもスパムだと考えている。

 「ここに問題の一端がある」とファローズ氏は述べる。

 ファローズ氏によると、宗教的な内容の未承諾メールよりも、金銭取引や営利目的のメールの方がスパムとみなされる場合が多いという。

 しかし、ポルノ・スパムについて混乱は起きていない。

 「スパムの中でも、最も嫌悪感を持たれているのがポルノだ。スパム作成者の中でもポルノ業者はとくに、手ひどい断罪を受ける運命にある」とファローズ氏。

 スパム問題が声高に叫ばれているものの、今回の調査回答者の多くはこの問題を受け流している。このような回答者はスパム問題を、電話セールスや、バスの中で携帯電話で大声で話す乗客などと同列に考えている。気には障るが、我慢はできるというレベルなのだ。

 しかも、ほとんどのユーザーはスパムメールを、削除キーを押して、自分で削除している。

 「技術的な解決策を提供する場合、ユーザーがごく簡単に使える方法でなければならないと、われわれの調査結果は示唆している。自力でフィルターをインストールするよう、ユーザーに期待するのは無理がある」とファローズ氏は述べた。

 スパムメールをインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に報告するウェブ・アプリケーション、『 http://spamcop.net/ スパムコップ』の生みの親、ジュリアン・ヘイト氏によると、今回の調査結果は当たり前のことを述べているにすぎないが、スパム問題に何らかの対策を取る必要性を強調する意味合いも持っているという。

 「おそらく、電子メールを使っていない人たち、つまり上院議員たちの意識を高めることにもなるだろう。(今回の調査によって)問題の所在が、より明確になった」とヘイト氏は述べている。

 しかし今回の調査が不要なメールに歯止めをかける効果を持つかどうかについて、ヘイト氏は懐疑的だ。

 「確かに、納得できる内容だ。しかし結果を発表したからといって、実際にスパム問題に影響を与えるかどうかはわからない」

[日本語版:遠山美智子/湯田賢司]日本語版関連記事

http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20031023105.html 最大500の「使い捨てアドレス」を利用可能に、米ヤフー

http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20031014301.html スパム業者とクラッカーが結託:追跡不可能なサイトやスパム送信ウイルス開発

http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031009207.html 1990年代のスパム王は今

http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031008201.html スパイウェア『Xupiter』の追及に2人の高校生が活躍

http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20031002301.html 他のドメインから送信したようにみせかけるスパムの新手法

http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20031002102.html アンチスパム・ビジネスが急上昇

http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030924106.html 「ポップアップ広告を防ぐ」ソフトを売る新手のポップアップ広告が増加

http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030415205.html 米国上院議員、スパム規制法案を提出


WIRED NEWSのメール購読申込みは http://www.hotwired.co.jp/reception/index.html こちらへ


(WIRED)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031024-00000008-wir-sci