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2003年10月24日(金) 12時36分

山口組総本部を捜索、ヤミ金事件で合同捜査本部朝日新聞

 指定暴力団山口組五菱会系のヤミ金融事件で、警視庁と広島県警などの合同捜査本部は24日午前、出資法違反(高金利)の疑いで神戸市灘区にある山口組総本部の家宅捜索をした。山口組の3次団体陣内組元幹部の梶山進被告(54)=出資法違反の罪で起訴=がトップのヤミ金融組織の年間収益は1000億円とされる。捜査本部はその大半が2次団体の五菱会(静岡市)を経由して総本部に上納されていたとみており、組織的犯罪処罰法の適用も視野に解明を進める。

 灘区篠原本町4丁目にある山口組総本部には午前10時半すぎ、警視庁などの捜査員や機動隊員約220人が入った。捜索は同11時15分に終わった。

 これまでの調べでは、梶山被告は00年ごろから、名簿業者のデータを基に電話などで客を勧誘し、顔を合わせずに融資する「非面接型」の営業を始めたとされる。自らを「会長」とし、その下に陣内組元組員の松崎敏和被告(34)=同=ら「社長」と呼ばれる中間幹部複数を置いていた。

 社長は、10〜30の末端店舗を束ねる「センター」を統括していた。店舗総数は最盛期に1000店あった。センターのひとつ「TOグループ」には店舗から昨年約1年間に約70億円、同グループから社長には約50億円が上納されていたとされる。調べによると、上納は大半が銀行振り込みではなく現金持参だった。

 捜査本部はこれまでに約30人を逮捕した。だが、「内実をしゃべったら家族に危険が及ぶ」などと組織的な箝口令(かんこうれい)がしかれていたためか、金の流れについての具体的な供述は得られていない。今年8月の五菱会の家宅捜索でも、金の流れを示す資料類は見つからなかった。社長から上への金の流れがつかめておらず、捜査本部は今回の家宅捜索で解明の糸口となる資料を探す。

 昨年10月、2次団体として新たに発足した五菱会の会長には、梶山被告が所属していた陣内組の高木康男組長が就任した。捜査本部は、ヤミ金融による巨額の収益が上納されたことに対する抜擢(ばってき)人事とみている。

     ◇

 <山口組> 03年現在の組員数約1万8000人の日本最大の暴力団。トップは渡辺芳則・5代目組長。準構成員を含めると約3万7千人で、全国の暴力団・準構成員の43.3%を占める。住吉会は14.4%、稲川会は11.4%。暴力団対策法が施行された92年、同法に基づく暴力団に指定された。その後も抗争事件を繰り返しながら全国に勢力を拡大しており、警察庁によると1都1道2府41県に拠点がある。最近は関東地方への進出を強めている。総本部の下に渡辺組長直属の2次団体があり、その下に3次、4次団体がぶら下がる。

 それぞれの組は上部団体に資金を納めるノルマを課されている。関係者によると、警察の取り締まり強化と不景気の影響でノルマを果たすのが難しくなっており、盗みをしたり、自殺したりする組員もいる。

(10/24 12:23)

http://www.asahi.com/national/update/1024/022.html