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2003年10月24日(金) 10時56分

<車輪脱落事故>三菱自工本社など家宅捜索 神奈川県警毎日新聞

 横浜市瀬谷区の県道で昨年1月、大型トレーラーの前輪が外れ、直撃を受けた母子3人が死傷した事故で、神奈川県警交通部は24日午前、業務上過失致死傷容疑で、トレーラーを製造した三菱自動車工業本社(東京都港区)と、三菱ふそうトラック・バス=1月に同社から分社=の川崎製作所(川崎市)、喜連川研究所(栃木県喜連川町)の計3カ所の家宅捜索に入った。県警はタイヤと車体をつなぐ「ハブ」に構造的欠陥があり、事故につながった疑いがあるとみている。交通事故で車メーカーの「製造責任」が問われ、強制捜査が行われるのは異例。

 事故は02年1月10日発生。横浜市瀬谷区下瀬谷の県道で、神奈川県綾瀬市の運送会社社長運転の三菱自工製トレーラーの左前輪が脱落し、タイヤ(直径1メートル、重さ140キロ)が、歩道を歩いていた大和市上和田の主婦、岡本紫穂さん(当時29歳)らを直撃。岡本さんは頭を強く打ち死亡、一緒にいた長男と二男も手足に軽傷を負った。

 県警の調べでは、事故を起こしたトレーラーは、車軸と車輪を接続し、タイヤを円滑に回転させる部品のハブが破損。タイヤはブレーキドラムごと外れていた。

 事故直後から県警は、同社のトレーラー製造責任者らから任意で事情を聴くとともに、警察庁科学警察研究所に依頼してハブの構造や強度などを鑑定していた。

 鑑定結果はまだ出ていないが、県警は実態解明のためさらに同社の資料を分析する必要があると判断、強制捜査に踏み切った。今後、設計や製造工程、管理状態などに問題がなかったかどうかについて、押収資料の分析を進める。

 同社などによると、横浜の事故車両と同型のハブは86〜97年に製造されたトレーラーや観光バスなど計12万4000台に使用。このハブを使った車両のタイヤ脱落事故での死者は横浜の事故以外に出ていないが、92年から今年5月までに計50件起きている。同社は事故直後から、02年11月までに、同型のハブ使用の約8万2500台に対して無償点検を実施。このうち約1万3000台は、ハブの摩耗量が社内基準値を超えていた。同社は、脱落事故は過積載や整備不良が原因だとしてリコールは行っていない。【安高晋、広瀬登】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031024-00001022-mai-soci