2003年10月24日(金) 03時23分

ヤミ金上納容疑で山口組総本部を捜索へ（読売新聞）

　指定暴力団山口組五菱会系のヤミ金融グループによる出資法違反事件で、警視庁と広島県警など５県警の合同捜査本部は２４日、出資法違反（高金利）の疑いで、神戸市灘区の山口組総本部の捜索に乗り出す。

　捜査本部は、同グループの集めた不法収益の大半が山口組に上納された疑いが強いとみており、捜索を突破口に、山口組の組織的関与の実態や資金の流れを解明する。ヤミ金融をめぐる捜査で、指定暴力団の本部に警察の捜索が入るのは初めて。

　捜査本部は、昨年秋に同グループの捜査に着手して以降、「ＴＯ」「ＦＣ」など五グループを摘発し、これまでにグループ傘下の店長やグループ幹部など４０人近くを出資法違反容疑で逮捕した。さらに、今年８月には、五菱会本部（静岡市）を捜索したほか、事実上の五菱会ナンバー２で、同グループ最高責任者の梶山進被告（５４）を逮捕。五菱会が、ヤミ金融で得た利益を主要な資金源にしている疑いが強いとみて捜査を続けていた。

　同グループは、傘下に数百店舗ものヤミ金融業者を抱えており、これまでの関係者の事情聴取や押収資料の分析から、グループ全体の収益は、昨年末までの３年余りの間に数千億円に上るとみられている。捜査本部では、この収益のうち７割は五菱会を通じて、山口組総本部に流れていた疑いがあるとしている。

　山口組は国内最大の暴力団組織で、警察庁によると、構成員と準構成員を合わせた人数は昨年末現在、４５都道府県で計約３万６９００人。全暴力団勢力の４割以上を占めている。

　山口組総本部への警察の捜索は、昨年８月、別の暴力団幹部を山口組組員が射殺した事件に絡んで沖縄、兵庫両県警が行って以来。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031024-00000301-yom-soci