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2003年10月24日(金) 03時23分

タイヤ脱落死事故、三菱自工をきょう捜索…神奈川県警読売新聞

 横浜市瀬谷区で昨年1月、走行中の大型トレーラーのタイヤが外れ、母子3人が死傷した事故で、神奈川県警の捜査本部は、タイヤが外れた原因について、トレーラーを製造した「三菱自動車工業」(本社・東京都港区)が、車軸の周りの「ハブ」と呼ばれる特殊鋼製部品の構造的欠陥を放置した“人的ミス”との疑いを強め、24日、同社本社などを業務上過失致死傷容疑で捜索する。

 捜査本部は、同社製の大型車が再三、同種事故を起こしていながら、設計、製造、安全管理の3部門で、事故情報が十分伝わっていなかったとみている。

 捜索を受けるのは、三菱自工本社をはじめ、「三菱ふそうトラック・バス」の喜連川研究所(栃木県喜連川町)と川崎製作所(川崎市中原区)の3か所。

 三菱自工をめぐっては、2000年、客のクレームやリコール情報を隠ぺいしたとして、前副社長らが道路運送車両法違反(虚偽報告)容疑で書類送検された「クレーム隠し事件」が発覚。再び、自動車メーカーとしての同社の安全管理体制に捜査のメスが入ることになる。

 捜査本部の調べや三菱自工などによると、横浜市で事故を起こしたトレーラーは、同社が93年7月に生産した「ザ・グレート」。この車種は、89年4月から95年五月までの間に計約3550台生産されたが、2000年2月と01年9月、それぞれ滋賀県と大阪府でタイヤ脱落事故が起きている。

 また、2001年12月までに、全国で発生した大型車のタイヤ脱落事故37件のうち、約86・5%の32件が三菱自工製の車で、ほとんどがハブの破損によるものだった疑いが強まっている。

 捜査本部は、今回の事故で破損したハブの鑑定を、警察庁の科学警察研究所(科警研)に依頼しているが、これまでの調べで、三菱自工製の大型車のハブは他社製に比べ薄いことなども判明。鑑定結果や捜索で押収した資料などをもとに、ハブの破損と事故の因果関係をさらに詰めるとともに、欠陥が放置された経緯などについても解明する。

 事故は、昨年1月10日、横浜市瀬谷区の県道で発生。走行中のトレーラーの左前輪タイヤ(直径1メートル、重さ約140キロ)が外れ、歩道を歩いていた同県大和市上和田、主婦岡本紫穂さん(当時29歳)を背後から直撃。岡本さんが死亡、一緒にいた長男と二男も手や頭に軽いけがをした。

 ◆事故責任問い、民事で係争中◆

 「三菱自工は走行中にタイヤが脱落するような設計、構造上の欠陥がある車両を製造した責任がある」——。事故で死亡した岡本紫穂さんの母親(54)は、今年3月、三菱自工や車検を担当した国などを相手取って、慰謝料など約550万円を求める民事訴訟を横浜地裁に提訴した。

 しかし、三菱自工は「事故を起こしたトレーラーにはホイールナットにゆるみがあるなどの重大な整備不良があった」と反論。

 また、国も「自動車の保守管理は使用者の責任で行うべきだ」と全面的に争う姿勢を示している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031024-00000201-yom-soci