2003年10月23日(木) 23時21分

＜前納金訴訟＞大阪産業大への返還請求を棄却　地裁　（毎日新聞）

　大阪産業大学（大阪府大東市）に合格した元受験生２人が、入学金や授業料などの前納金計１７６万７０００円の返還を求めた訴訟で、大阪地裁は２３日、２人の請求を棄却した。吉野孝義裁判官は入学金について「入学できる地位ないし資格を取得したことの対価」と返還義務を否定。授業料などを返さないことを定めた特約についても「民法の公序良俗に反しない」と判断した。

　判決によると、２人は消費者契約法施行（０１年４月）前の９７年度と００年度の入試で合格し、入学金３４万円と授業料４２万９０００円などを納付したが、別の大学に合格。授業料が返還される期日を過ぎて入学辞退を通知したため、入学金とともに返されなかった。

　判決は、入学辞退で定員が不足することなどに対する大学経営のリスクにも触れて「定員を確保することは、私立大学の生命線」と、大学経営への配慮を示した。

【小栗高弘】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031024-00000091-mai-soci