2003年10月22日(水) 02時22分

家賃詐取狙う？儀通知　佐賀や久留米　マンションに配布（西日本新聞）

　「マンションのオーナーが代わり、管理を任された」と称し銀行の家賃振込口座の変更を通知する文書が、久留米市や佐賀市で大量に配布されていることが二十一日分かった。オーナー交代の事実はなく、会社の実体も不明。福岡、佐賀両県警は、家賃詐取を狙った新手の架空請求事件とみて、詐欺容疑で捜査を始めた。久留米市消費生活センターは「ほとんどの人が銀行振り込みを利用しており、うっかり払ってしまう恐れが強い。不審な郵便物などが届いたらしっかり確認してほしい」と注意を呼びかけている。

　文書は、大阪市北区に本社があるという「山本興産」の代表取締役名で出されている。「家賃振込先変更のお知らせ」と題し、オーナー変更に伴い同社が管理者になったと説明。佐賀市内の銀行口座を記載し、十一月分からの家賃を同口座に納めるよう指示。振り込みがなければ「契約解除や遅延損害金の請求もある」としている。

　両県警によると、文書は二十、二十一日に両市内のマンションの郵便受けなどに無差別に投げ込まれたとみられ、計十数件の相談が寄せられている。久留米署は、久留米市中心部の七マンション、計百十世帯で配布されているのを確認した。

　本来のマンションオーナーらによると、譲渡や交代の事実は一切なく、連絡先として記載された番号に電話しても、誰も出ないという。

　久留米市消費生活センターによると、「山本興産」は、過去、他の手口による架空請求事案でも請求主として登場した名称だが、実体不明という。同センターは「家主変更の場合は通常、譲渡者や仲介業者名の入った通知が来たり、契約書を書き直したりする。こうした一方的な変更はないはず」と話している。（西日本新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031022-00000021-nnp-kyu