悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年10月22日(水) 04時03分

<詐欺>10年前から「有栖川」名乗る毎日新聞

 断絶した皇族、有栖川(ありすがわ)宮家の後継者を装い結婚披露パーティーで祝儀をだまし取った詐欺事件で、京都市左京区岡崎天王町、無職、北野康行容疑者(41)は、2年前に宮崎県内で「有栖川識仁(さとひと)」を名乗っていたことが関係者の話で分かった。「資金集めに協力する」と接近した同県の神社には、「宮内庁献上品」と偽った水を送り、皇室関係者と信じさせていた。警視庁公安部は、10年前から「有栖川識仁」を名乗っていたことを把握し、活動の解明を進めている。

 関係者によると、北野容疑者の知人は01年ごろ、宮崎県内の神社の管主(当時)を突然、訪ねて「元皇族に会わないか」と持ちかけた。その後、有栖川識仁を名乗る北野容疑者を紹介した。

 この神社は境内に教育施設の建設を計画しており、寄付を集める「建立奉賛会」の名誉会長就任を北野容疑者に依頼した。「皇族関係の力を借りれば金が集まる」と思ったという。北野容疑者は「3年で40億円集める」と豪語し、地元の町役場も訪れ、助役らに同様の話をした。

 さらに北野容疑者の知人は、神社に「宮内庁献上品」「有栖川識仁書」などと記したラベルを張った水のボトル6本入りの箱を2箱送ってきた。この知人は1箱5000〜1万円で販売する計画を語り、「収益を神社に寄付する」と説明した。しかし、話はそれきりで、この管主は「命がけで協力すると言っていたのに、偽者だったとは」とショックを受けていた。

 北野容疑者は会社名義で月18万円で借りた京都市のマンションの一室に住んでいた。入居の際、この会社は「宮様が京都に来た時に使う」などと説明していた。表札には、今年4月の結婚パーティーで参加者に配った「ARISUGAWA HARUMI」と印字されたシールと有栖川宮家の家紋に似せたシールを張っていた。

 しかし、家賃滞納が続いたため、家主側は今月20日、退去を求める内容証明を送付した。【石原聖、鈴木泰広】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031022-00000138-mai-soci