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2003年10月22日(水) 23時57分

<受動喫煙>大学病院で国の基準を超える 産業医大調査毎日新聞

 大学病院での分煙が不完全なため、禁煙場所でも国の基準を超える「煙害」が起きていることが、東京大(東京都文京区)と産業医科大(北九州市)のグループによる調査で分かった。たばこの煙を非喫煙者が吸いこむ「受動喫煙」が原因とみられる死者は年間2万人と推計されている。5月に施行された健康増進法で受動喫煙の防止がうたわれたが、多くの患者が利用する病院でも受動喫煙が避けられない実態が浮かんだ。京都市で開催中の日本公衆衛生学会で23日発表する。

 調査は首都圏の3大学病院の▽喫煙室▽喫煙室の外の廊下▽院内の飲食店、の計10カ所で、たばこの煙の粒子(粉じん)を測定する機器を使い、空気1立方メートルあたりの濃度を測った。労働基準法や厚生労働省の分煙効果判定基準は、喫煙場所でも0.15ミリグラム以下を保つよう指導している。

 飲食店(7店)のうち、全面禁煙店(3店)ではほとんど検出されなかった。しかし、自由に喫煙できる2店では、昼食、夕食時間帯を中心に、1立方メートルあたり最高1.2ミリグラム、平均でも0.11ミリグラムだった。仕切りがないなど、分煙対策が不完全な2店は、喫煙スペースで最高0.56ミリグラム、禁煙スペースでもピーク時には基準の倍以上の0.3ミリグラムを超えた。

 院内の喫煙室では、人の出入りでドアが開くたびに煙が廊下に漏れ、患者が行き来する廊下でも、基準を超えることがあった。

 米国などでは、医療機関の多くが禁煙を徹底しており、患者も見舞い客も院内で喫煙できない。

 調査を担当した東京大大学院国際地域保健学教室の中田ゆりさんは「病気を治し、健康指導をする病院内で、喫煙を認めること自体、対策が遅れている。全面禁煙にするくらいでないと、医療機関の使命は果たせない」と指摘している。【元村有希子】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031023-00000076-mai-soci