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2003年10月22日(水) 00時00分

外国での首脳会議に出席中の首相が「開かずの踏切」対策の心配… 東京新聞

 外国での首脳会議に出席中の首相が「開かずの踏切」対策の心配を述べたのにも驚いたが、それは別として、JR中央線の踏切事情はかなり悪い。しかも改善策の高架化工事で事態がさらに悪化している▼昼すぎ、小金井市の問題多発の踏切へ出掛けた。わたり切るのに四十歩以上。工事のため線路を増やしたので以前の倍の約三十六メートルに広がったそうだ。電車は数分おきに通って、遮断機の下りている時間と開いている時間はほぼ同じだ▼二人連れのお年寄りが横断中、ちんちんと警報が鳴りだした。警備員が駆け寄り、抱きかかえるようにして運び出す。二人ともほとんど転びかけていた。すぐ横には歩道橋がある。若い人たちはためらわずに上っていった。しばらくながめていると弱い立場の人ほど困っていることがわかる▼不思議な看板があった。「この踏切は7−9時はほとんど開きません」。工事をする方は親切心のつもりなのかもしれないが、読みようによっては、これほど通行者をばかにした言い方もない。工事前から通行不能を告げているのも同然だ。妙案が見つからないにせよ、迷惑をかける側の物言いではない▼「最大多数の最大幸福」を社会の統治原理に結び付けたのはベンサムだった。イギリス人らしい現実主義であり、踏切問題で言えば、電車の乗客にも踏切で待つ人にも一方的に苦痛を押し付けてはならない。そこを調整するのが行政であり鉄道会社である▼効率と収益優先のせいで人の心が分からないのなら、公共的使命の放棄といわれても仕方ないだろう。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20031022/col_____hissen__001.shtml