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2003年10月22日(水) 06時16分

投票・棄権示す名簿流出 872人分、岡山市選管認める朝日新聞

 岡山県議選で有権者が投票に来たかどうかをチェックするために使われた名簿がコピーされ、外部に流出していたことが21日わかった。住所、氏名など872人分の個人情報が書かれているほか、投票済みを示す印などが押されており、だれが投票に行ったか、棄権したかが分かる。4年前に流出したとみられるが、この種の名簿の漏洩(ろうえい)について、総務省選挙課は「聞いたことがない」としている。名簿を管理していた岡山市選挙管理委員会は本物の名簿のコピーであることを認め、流出経路などについて調べている。

 市職員が流出に関与したとすると、地方公務員法(守秘義務)に触れる疑いがあり、市選管は「その場合は厳正に対処する」としている。

 流出した名簿は、統一地方選があった99年4月11日に投開票された県議選で不在者投票や投票当日のチェックに使うため、同月1日に登録された岡山市の選挙人名簿抄本の一部で計40枚ある。地元政界の関係者が持っていた。

 市北東部の上道支所管内の有権者872人の住所、氏名、生年月日、性別が記載されているほか、「名簿対照」欄があり、投票所に来た人には「済」の印が、不在者投票をした人には「県議」の印が、それぞれ押されたり書かれたりしている。

 市選管によると、この名簿は県議選の投票が終わった4月11日夜、ほかの支所の名簿や選挙事務用品などと一緒に開票所に集められた。開票終了後は市が委託していた運送会社のトラックに積まれ、同社が管理する駐車場で保管された。

 名簿は12日、市選管職員によって市役所近くのビルの会議室で仕分けされ、その場で1晩保管。13日朝、上道支所の職員に手渡された。県議選の2週間後にあった岡山市議選でも同様に不在者投票と投票当日のチェックに使われた。

 ただ、市議選については名簿対照欄に印が一切ないことから、県議選の投票が終わった11日夜から、市議選が告示されて不在者投票が始まった18日朝ごろまでの間に複写されたとみられる。

 市選管は「トラックと会議室は施錠されており、そこで名簿がコピーされた可能性はゼロに近い」。一方、上道支所では選管事務担当者が机の引き出しに入れており、支所の職員の多くはそのことを知っていたが、鍵はかけていなかった。

 市選管は当時の選管幹部や支所職員らに事情を聴いたが、「名簿のコピーを自らしたり、誰かに頼まれたりした職員はおらず、今のところ流出経路は特定できていない」と説明している。

 名簿のコピーを持っていた地元政界関係者は「地元政界の知人が持っていた。知人がどうやって入手したかは聞いていないが、時期からみて県議選の後の市議選の選挙活動用に使われたものだと思う」と話した。

 選挙人名簿は、名簿の正確性を高めるために公職選挙法で閲覧が認められており、コピーもできる。しかし、問題の名簿は閲覧用とは別に投票のチェック用に使われたもので、漏洩について総務省選挙課は「だれが投票に行ったかを示す押印部分が公開すべき情報でないのは当然だ。市選管は、名簿をきちんと保管していなかった点で不適切だ」と話している。(10/22 06:15)

http://www.asahi.com/national/update/1022/007.html