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2003年10月21日(火) 23時51分

<医療ミス>病院側のミス認め一億円の支払い命令 京都地裁毎日新聞

 済生会京都府病院(同府長岡京市)に入院中、脳内出血で意識不明となり、約6年後に死亡した長岡京市の男性の遺族が、投薬ミスが原因などと病院を運営する社会福祉法人恩賜財団済生会(東京都)と担当医を相手に慰謝料など約1億6400万円を求めた訴訟の判決が21日、京都地裁であった。山下寛裁判長は「血液検査で投薬を中止すべき数値が出ており、脳内出血の予見は可能だった」と済生会側の過失を認め、約1億円の支払いを命じた。

 判決などによると、97年1月、当時15歳だった男性はアレルギー性紫斑病などと診断され同病院に入院。担当医は血液の凝固を防ぐ薬剤で副作用が報告されている「ワーファリン」などの投与を続けていたが、男性の容体は同年3月25日早朝から、おう吐するなど急変。脳内出血で意識を失い、回復しないまま、6年後の今年4月、死亡した。

 山下裁判長は容体が悪化する前の97年3月21日の血液検査で、血液凝固に関係し副作用が懸念される数値が大きく変化していた点を挙げ、「投与を中止しなかった点に過失があった」と、担当医の対応の遅れを指摘した。

 同病院の中島徳郎院長は「医師は全力を挙げ最高の治療をしたと確信している。判決文を見てから今後の対応を考えたい」とコメントした。【中村一成】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031022-00000116-mai-soci