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2003年10月21日(火) 14時37分

牛乳瓶じわり復権 販売、全面移行へ 県内の業者西日本新聞

 懐かしの瓶牛乳が食卓に—。この秋、生活協同組合「グリーンコープ連合」(本部・福岡市、約三十三万世帯)が牛乳販売を瓶容器へ全面的に切り替えるなど、紙パックが主流の牛乳容器を、瓶に戻す動きが広がりつつある。関係者によると、消費者の環境意識が高まり、紙パックよりも割高だが再利用しやすく、環境にやさしい瓶への回帰が進んでいるという。

 「組合員の要望が強かったんです」

 同生協の担当者は今回の措置が、環境を重視する組合員主導であると強調する。二十日から瓶牛乳の販売を始め、十一月十七日から紙パック牛乳を全面的に瓶牛乳に切り替える予定だ。

 同生協は、総額約十五億円を投資し、福岡市南区に瓶牛乳専用の工場(延べ床面積約三千平方メートル)を建設。年間千三百三十万本(一本=〇・九リットル換算)を生産する態勢を整えた。個別宅配の場合、紙パックは一リットルで二百十八円だが、瓶だと〇・九リットルで二百六十七円と割高になる。

 大手牛乳メーカーによると、紙パックは再利用する場合、いったんパルプに戻すため、防水加工用のポリエチレンをはがしたり、ロゴの色素を抜く作業が必要。瓶は洗浄だけですみ、水使用量が四割近く削減できる。

 さらに量販店に設置したボックスで回収する紙パックの回収率は三割強にとどまっているのに対し瓶は、店頭で瓶代十円を消費者に支払って回収。宅配が多いこともあり、回収率はほぼ100%という。

 こうした点の理解が広まるにつれ、瓶牛乳が徐々に復活。福岡県の学校給食では数年前は全体の15%だったが、現在は19・5%に増加した。

 明治乳業(東京)は瓶牛乳の宅配事業を強化。現在全国で二百六十五万世帯に宅配、前年に比べ5%強伸びた。九州事業本部は「専用の製造ラインが必要で初期投資は大きいが、これからは環境と健康を重視する顧客増が見込める」と話す。

 福岡県牛乳商業組合によると、関係者が一様に瓶牛乳回帰を口にするのは「瓶のほうがおいしさを保てる」側面もあるからだ。紙パックにはガス透過性があり、紙パック牛乳を冷蔵庫に長く保管していると、牛乳にほかの食品のにおいが移り、本来の風味が失われやすいという。同組合は「安ければいい時代は終わった。瓶牛乳が牛乳全体の売り上げに占める割合は1%程度だが、今後人気が出る」とみている。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031021-00000074-nnp-kyu