2003年10月21日(火) 16時56分

＜兵庫警官汚職＞個人情報照会書類を上司が決裁　ノーチェック（毎日新聞）

　兵庫県警の現職警察官による汚職事件で、加重収賄容疑で逮捕された警部補、柴尾洋吉容疑者（４０）が、個人情報を照会する際使った「捜査事項照会書」には署長公印が押され、署長ら上司の決裁を経ていたことが２１日、県警捜査２課の調べで分かった。事実上、ノーチェックで同照会書が決裁されている現状につけ込んだとみられる。

　また柴尾容疑者は、中西知已容疑者（４１）＝贈賄容疑で逮捕＝から５万円を受け取ったとされる００年１２月以前に、数回、計数万円を受け取っていたことも判明。同課は、柴尾容疑者が徐々に感覚をまひさせていった可能性もあるとみて、経緯や趣旨について慎重に捜査している。

　県警によると、個人情報保護への意識の高まりを受け、０１年１２月、「照会書」に関する例規を作成。すべての照会書について、誰がどんな理由で照会したかを記録、保存することを義務付けた。しかし、柴尾容疑者が照会したのはそれ以前で、個人情報の扱いに関する管理体制の甘さを突かれた形だ。【井上直樹】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031021-00001075-mai-soci