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2003年10月21日(火) 11時59分

肺がん患者ら原告の請求棄却 たばこ訴訟で東京地裁判決朝日新聞

 有害で依存性がある、たばこの製造・販売を続けたとして、日本たばこ産業(JT)や国などを相手に、肺がんなどの患者6人(うち3人は死亡)が1人あたり1000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。浅香紀久雄裁判長は、ニコチンの依存性は低く、禁煙できると指摘したうえで、「嗜好(しこう)品として定着している事情も考慮するとたばこの製造・販売は違法ではない」と述べて原告の請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

 訴えていたのは、歯科医師の荒木照夫さん(7月に76歳で死去)ら、肺がん、肺気腫、喉頭(こうとう)がんの各患者。損害賠償のほか、自動販売機での販売禁止や、包装紙に発がん性など危険性を明示するよう求めて98年に提訴した。

 判決は、まずたばこの有害性について検討。「ニコチン、タールなどが含まれ、肺がんなどを発病するリスクを高める」と認定したが、ニコチンの依存性については、「アルコールや禁止薬物に比べるとその程度は格段に低い」と指摘。「喫煙者の自由な意思決定を奪うほど強力ではなく、意思や努力で禁煙できる」と述べた。

 患者側は、JTが有害の認識を持ちつつ売り続けた故意か、有害性に気づきながら警告が不十分だった過失があると主張した。しかし判決は、(1)たばこ事業法によって製造・販売が適法とされている(2)包装の注意表示は警告として一定の機能を果たしている——などとしてJTには違法行為が認められないと結論。国の被害防止責任も認めなかった。また、原告の発病とたばこの因果関係については、「喫煙以外の要因が考えられる」と否定した。

(10/21 11:29)

http://www.asahi.com/national/update/1021/009.html