2003年10月21日(火) 12時18分

「有栖川宮」名乗った結婚パーティー、詐欺で３人逮捕（読売新聞）

　旧皇族の「有栖川宮」を名乗って東京都内で結婚パーティーを開き、出席者から現金約１２００万円などをだまし取ったとして、警視庁公安部は２１日、京都市左京区、無職北野康行（４１）、東京都文京区向丘、無職坂本晴美（４５）、目黒区目黒、会社役員楠信也（４２）の３容疑者を詐欺の疑いで逮捕した。

　調べによると、３人は今年４月６日、東京都港区赤坂の会員制レストランで、北野容疑者を「有栖川宮識仁（さとひと）」と称し、坂本容疑者と結婚したかのように装って結婚披露パーティーを開き、参加者３５７人から、「ご祝儀」として現金計１２００万円や絵画をだまし取った疑い。北野容疑者と坂本容疑者は婚姻届を出していなかった。

　公安部は、宮内庁や北野容疑者の親族らに照会した結果、北野容疑者が有栖川宮家とは無関係であることが判明、被害額も大きいことなどから逮捕に踏み切った。パーティーには、男優やタレントら複数の芸能人も出席していた。

　北野容疑者は１０年以上前から「有栖川宮」を名乗り始めた。政治団体「有栖川宮記念」を設立し、自らが代表者を務めたほか、一時は別の右翼団体の名誉総裁に就任し、警視庁には「本物なのか」という相談が寄せられていた。

　宮内庁広報室は「有栖川宮家は大正時代に断絶し、祭祀は高松宮家が継いでいる。有栖川宮家の跡継ぎを名乗る人がいることはあり得ない」としている。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031021-00000103-yom-soci