2003年10月21日(火) 00時52分

＜ヤミ金融逮捕＞法定利息の１００倍超　「夫が自殺」と妻告訴（毎日新聞）

　神奈川県警生活経済課などは２０日、出資法違反容疑で、東京都台東区上野３、貸金業者「アルコフィナンシャル」の坂田純代表（２３）と、従業員ら２人を逮捕した。県警は８月、「同社からの取り立てを苦に夫（当時７０歳）が自殺した」と訴えた横浜市中区の妻からの告訴を受理し捜査していた。

　調べでは、坂田容疑者らは昨年５月〜今年８月、横須賀市の男性（５４）ら７人に計約１９１万円を貸し付け、法定限度の１２〜１２５倍に当たる計約１１６万円の利息を受け取った疑い。また今年５〜８月、自殺した男性ら２人に計７万円を貸し付け、法定限度の５０〜１４１倍の計約５万円の利息を受ける契約をした疑い。坂田容疑者らの口座には計約２億２０００万円の入金記録があり、約１０００人に貸し付けていたとみている。

　自殺した男性の遺族によると、男性は自殺２日前の８月１１日夜、自宅で同社の取り立てを受けた。被害者団体を通じ「これ以上払わない」と通知を送っていたが、「関係ない」と一喝され、支払いを約束する契約書にサインさせられた。男性は「ヤミ金に負けてしまった」とひどく落ち込み、何も食べず、口を開くこともなかったという。

　遺書で、この業者の名前を挙げ、「自分も年なので、収入は全然ありません。ヤミ金におわれると思うと生きたきもちになりません。お詫（わ）びと自分自身の安らぎを考えて死をえらびます」などと書き残していた。逮捕の知らせを受けた妻は、毎日新聞の取材に「ほっとしたような、むなしいような気持ち。『死ぬことはなかったのにね』と遺影に報告した」と話した。【安高晋】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031021-00000105-mai-soci