悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年10月20日(月) 07時03分

「信販会社も共犯」 弁護団、節電器商法訴訟で責任追及河北新報

 「詐欺的商法の被害を広げた共犯だ」。全国の自営業者ら約450人が集団提訴する事態に発展した省エネ機器販売会社「アイディック」(東京)の節電器商法問題で、各地の弁護団は信販会社側の責任も追及する。悪質商法が表面化するたびにクレジット契約の問題が問われ、信販業界自身も悪質加盟業者を排除する制度を設けているが、被害は繰り返された。(報道部・中村洋介)

<同様の判断を期待>
 アイディックの節電器代金のクレジット契約をめぐる訴訟の判決で、秋田簡裁は今月8日、信販会社の責任を厳しく指摘し、「契約無効」の判断を示した。
 節電器の効果がなかったことから、分割払いを停止した大曲市のレコード店経営の男性(51)に対し、信販会社が残金の支払いを求めた訴訟で、秋田簡裁は(1)クレームなどで信販会社は不当な販売方法を知ることができた(2)信販会社の存在が節電器商法の被害拡大の一因だった—と認定した。

 原告と被告双方が控訴したため、さらに争われるが、節電器商法被害対策仙台弁護団長の鈴木裕美弁護士は「信販業界全体の責任を指摘した画期的な判決。9月に起こした集団訴訟でも同様の判断が示されると期待している」と話す。
詐欺的実態を認定
 アイディックの商法が初めて問題視されたのは1997年、北海道での新聞報道だった。次いで98年、山形県などの消費者生活センターが同社の節電器をテストし、「宣伝のような効果はみられない」と公表している。

 2001年には新潟簡裁が「節電効果はない」とアイディックの詐欺的商法を認定し、残金支払い停止の判決を出した。岡山簡裁でも02年、同様の判断が示された。だが、97年から02年までの5年間で、アイディックと契約し、顧客である飲食店経営者らとのクレジット契約に応じた信販会社は9社あった。
 節電器商法が問題視されている中で契約したことに、弁護団は「詐欺的商法を知っていた」と厳しい目を向ける。

<自主規制機能せず>
 節電器のように数十万円もする商品では、クレジット契約をできるかできないかは、売上高に大きく響く。「信販会社が被害拡大をもたらした」という弁護団の主張の根拠となっている。
 一方、秋田簡裁で責任を認定された信販会社は「アイディックの不当販売を知り得たというのは承認し難く、誤解を解いていく」と反論する。

 ただ、業界の自主規制が機能しなかったのは事実。「日本クレジット産業協会」は95年、悪質な加盟業者の情報を共有して取引から排除するために「登録制度」を設けたが、アイディックの訴訟に関する結果は登録されていない。
 「被害者を救うだけではなく、悪質商法によるクレジット被害が二度と起きないようにしたい」(鈴木弁護士)。弁護団は今回の集団訴訟を、そう意義付けている。
[河北新報 2003年10月20日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031020-00000005-khk-toh