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2003年10月20日(月) 15時19分

ヤミ金被害救済と「債務整理」持ちかける文書…詐欺か読売新聞

 ヤミ金融問題に取り組む実在のボランティアや弁護士グループの名前を勝手に使い、「債務整理」や「業者への過払い金返還請求」を持ちかける文書が、多重債務者に相次いで送りつけられている。

 これまでも「ヤミ金融対策協会」などの紛らわしい名前で、多重債務者から金をだまし取ったケースはあったが、実在の団体名を使ったのは初めてという。連絡してきた債務者から法外な「手数料」を巻き上げる詐欺的商法の疑いがあり、弁護士らは文書を差し出した団体に抗議したが、その正体は不明だ。

 問題の文書を送ったのは、「関東ヤミ金融被害対策協会」と称する団体。

 多重債務者救済団体の全国組織「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」、弁護士で作る「全国ヤミ金融対策会議」(いずれも東京)などの「所属」「会員」と勝手に名乗り、「被害者団体が、弁護団体の協力のもとに結成した」などと書かれていた。その上で、弁護士名が空欄の委任状に署名、押印した上、借りた先のヤミ金融業者名と振込口座の一覧表を作って指定のファクス番号に送信するよう求めていた。

 全国ヤミ金融対策会議によると、こうした手口は〈1〉多重債務者に法外な手数料を請求する〈2〉ヤミ金融から過払い金を取り、債務者には1銭も返さない〈3〉債務者の名簿を作ってヤミ金融や名簿屋へ売る——などが考えられるという。

 同会議事務局長の木村裕二弁護士は「脅迫的な取り立てを受けて気持ちが混乱している債務者につけ込む悪質な手口だ。我々の名前をかたって債務整理などをすれば、詐欺はもちろん、弁護士法にも違反する」と話している。

 文書には所在地が記されておらず、連絡先の電話は携帯電話に転送される仕組みになっていた。読売新聞の取材に対し、団体の「担当者」は「何も話すことはない」としており、その後、電話は通じなくなった。

 全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多良男事務局長は「ヤミ金融対策法で違法金利での貸し出しが難しくなったヤミ金融業者が、なりふり構わず、多重債務者から金を巻き上げようとしているのではないか」と分析している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20031020i206.htm