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2003年10月20日(月) 00時00分

抗うつ剤で自殺の危険増 パロキセチン 18歳未満へ投与禁止 厚労省指示 東京新聞

 うつ病の第一選択薬として広く使われている塩酸パロキセチン水和物(商品名パキシル)の副作用で思春期の重いうつ病患者に自殺の危険が増すことが分かり、厚生労働省は二十日までに、十八歳未満の大うつ病性障害患者への投与を禁止するよう輸入販売元に添付文書の改定を指示した。

 急に投与を中止すると知覚障害などの症状が出る危険性が高まるため、徐々に薬を減らすよう注意喚起している。

 パロキセチンは、医師が処方する薬。グラクソ・スミスクラインが輸入販売している。同社によると、グラクソ本社(英国)はパロキセチンの小児への適用拡大を狙い、七−十八歳の合計千人以上を対象とした臨床試験を英国で実施した。

 ところが、重いうつ病である大うつ病性障害患者三百七十八人に投与した場合、有効性が確認できなかったばかりか、5・3%に自殺を考えたり、企てるなどの有害事象が発生。偽薬を投与した二百八十五人では、2・8%だったのに比べ、リスクが二倍近くに増えることが分かった。

 抗うつ薬は一般的に投薬開始から一カ月ほどは症状が悪化することがあり、脳が未発達な思春期の患者に投与したことで、極端な症状が出た可能性があるという。

 パロキセチンは、選択的セロトニン再吸収阻害薬(SSRI)と呼ばれる比較的副作用の少ない新しいタイプの抗うつ薬。

 厚労省は二〇〇〇年、十五歳以上を対象に同薬を承認した。年間約四十七万人に使われており、一部の病院では十五歳未満の患者にも使われているという。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031020/eve_____sya_____005.shtml