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2003年10月19日(日) 00時00分

汚染源特定、難航の恐れ 神栖ヒ素問題朝日新聞・

 神栖町のヒ素汚染問題で、環境省の調査検討会は17日、高濃度の有機ヒ素が検出され健康被害のあった井戸(A井戸)の周辺に、汚染源が複数ある可能性を打ち出した。住宅の南側のグラウンドは、過去に砂利採取のために最大22メートル付近まで掘られた上で埋め戻されていたことも分かった。座長の森田昌敏・国立環境研究所統括研究官は「汚染はかなり広がっている可能性があり、調査は難航している」と話した。

 同省はA井戸の汚染源を調べるため、9月から住宅南側のグラウンドなどに範囲を広げてボーリング調査をした。その結果、グラウンドの北端で深さ20〜35メートル付近の地下水から高濃度の有機ヒ素を検出した。A井戸から東に約100メートル離れた田んぼでは、深さ15メートル付近の土壌から高濃度の有機ヒ素が見つかった。

 8月までのA井戸近くのボーリング調査と合わせると、深さ15メートル、25メートル、35メートル付近に少なくとも三つの汚染源があると考えられるという。また、A井戸は構造などから、深さ16メートル付近で汚染された水をくみ上げていたことも分かった。森田座長は「田んぼと汚染源が同じ可能性はあるが、断定はできない」と説明した。

 一方、レーダー探査やボーリング調査、周辺住民への聞き取り調査などから、グラウンドでは78年から80年の間に大規模な砂利採取があったことも分かった。これによって汚染源が拡散された可能性もあるという。

 また、グラウンドの南西隅の深さ約1・5メートルのところに3メートルほどの金属物が埋まっていることも分かった。今後、この金属物を掘り出し、汚染源につながるかを調べる。

 同省環境リスク評価室の三宅智室長は「(埋め戻しで紛れ込んだ可能性があっても)成分は旧日本軍の毒ガス由来のものに違いない」として、引き続き対策をとっていく考えを示した。今後は今までのデータを解析した上で、A井戸周辺で10〜20メートル付近の汚染をたどりながら汚染源の区域を絞り込んでいくという。
(10/19)

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news02.asp?kiji=6491