2003年10月17日(金) 07時04分

ヤミ金融幹部逮捕　名簿１２万人分押収（河北新報）

　指定暴力団山口組五菱会系グループのヤミ金融事件で、宮城県警生活環境課などは１６日までに、グループで保有した１２万人分の債務者リストを押収した。債務状況や家族構成のほか、警察や弁護士に通報する傾向があるのかどうかという情報まで盛り込まれていたことが分かった。

　リストはグループ（図）の債務者情報を管理し、県警の捜索を受けた「センター」（東京）などのパソコンに入っていた。
　情報は摘発逃れを狙って暗号化され、「Ａ　４／２８　２Ｓ　なし」は「Ａ店で４月２８日に２万円を貸したが、返さない詐欺（Ｓ）」、「ＢＬ８　父　逃げ」は「８店でブラックリストに載り、父が代わりに払い本人は逃げた」という意味。

　グループは元五菱会系幹部で「ヤミ金の帝王」と呼ばれる梶山進被告（５４）＝東京地検が起訴＝が総括経営者として君臨。その下に約２０店ずつ２０以上のグループを形成し、阿蘇品秀明容疑者（４１）＝１６日逮捕＝ら「梶山７人衆」との異名を持つ側近が各担当グループを束ねたとみられる。

　小グループはさらに約５—１０店ずつの集団に分かれ、加藤泰被告（２５）＝起訴＝らが「集金人」としてまとめていた。債務者情報はグループごとにセンターに集約し、中川砂織センター長（２９）＝処分保留で釈放＝らが各店に提供していた。

　県警は売上金のうち数十億円が各店から集金人、幹部を通じて梶山被告側に上納されたとみて、資金の流れの解明を進め、梶山被告の関与の有無を調べている。グループの店舗は一時期、都内に１０００以上あり、遅くとも２０００年には組織的な違法営業を始めたとみられている。
[河北新報 2003年10月17日]（河北新報）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031017-00000010-khk-toh