2003年10月16日(木) 00時00分

『オレオレ詐欺』相次ぐ 宇都宮 （東京新聞）

　孫を装って高齢者に電話をかけ、現金を銀行口座に振り込ませる「オレオレ詐欺」が、宇都宮市内で二件相次いで起きていたことが十五日、分かった。うち一件は実際に現金をだまし取られており、宇都宮南署で同一犯の可能性もあるとして調べるとともに注意を呼び掛けている。

　調べでは十四日午前十一時半ごろ、宇都宮市東刑部町の無職男性（７５）方に「じいちゃん、オレだよ、オレだよ」と電話があり「ヤミ金から金を借りたけど、今日中に返さないと殺される」などと説明。男性が指定された銀行口座に現金六十万円を振り込んだ。振り込んだ現金は十分足らずの間に下ろされたという。

　さらに同日午後一時四十分ごろ、同市下横田町、無職女性（７８）方に「ばあちゃん、オレのこと分かんないの。交通事故を起こした。相手の車の修理代を貸してほしい」と孫を装った電話があり、女性が同日午後三時ごろ、銀行口座に現金三十五万円を振り込んだ。振り込みが翌日扱いになっていたため、被害に気づいた女性側が十五日に銀行に手配して、だまし取られずに済んだ。

　男性と女性にはそれぞれ十代と二十歳代の男性の孫がおり、話を信じてしまったという。同署では注意を喚起する広報紙を配布するという。　（近藤　正規）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20031016/lcl_____tcg_____004.shtml