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2003年10月16日(木) 15時26分

日本マクドナルドCEO、安売り路線否定 薄まる藤田色朝日新聞

 日本マクドナルドのパット・ドナヒュー会長兼最高経営責任者(CEO)は15日、東京都内でインタビューに応じ、「59円ハンバーガー」に代表される安売り路線を否定した上で、新規出店による拡大戦略も「サービスや店舗の質の低下につながった」と批判。今後は品質やサービスを充実させて、前任の藤田田(でん)氏が主導したオーナー型経営からの転換を急ぐ方針を強調した。

 世界119カ国・地域で展開するマクドナルド・グループにとって3000億円超の売上高をもつ日本は重要な市場だ。藤田氏のリーダーシップの下で「世界で最も成功した」市場は米国に次ぎ、店舗網は3〜5位のカナダ、英国、ドイツの3カ国の合計よりも大きい規模だ。

 だが、牛海綿状脳症(BSE)の発生をきっかけに01年秋以降は業績が悪化。02年8月の59円ハンバーガーの投入効果も長続きせず、低迷は長期化している。ドナヒュー氏は「短期的な安売り戦略がブランドを傷めたほか、新規出店のみに経営資源が偏っていた」と分析した。

 藤田氏の引退後は6〜8週間の周期で新商品を繰り出すメニュー作りや地域にあわせた店舗開発、「食の安全」を意識して品質をテーマにした広告などで女性やファミリー層の取り込みを図る。9月からは長期的なブランドの回復を目指すキャンペーン「アイム・ラビン・イット」も始めた。

 ただ、消費者への浸透は鈍く、既存店売上高は9月まで24カ月連続の前年割れ。4月以降をみても前年同月比2.8〜8.8%減と回復の兆しは見えない。ドナヒュー氏は「消費者への浸透は時間がかかるが、現在の対策を継続すれば、既存店売上高は今年後半から来年にかけてプラスに転じる」との見方を示した。

 商品戦略だけでなく経営のあり方にもメスを入れる。藤田氏がつくった年功序列色が濃い人事制度や福利厚生制度は「家族主義的経営」(幹部)といわれてきた。

 ドナヒュー氏は「これまで能力主義の評価制度がなかったのが驚き」と話し、04年4月から店長以上の定期昇給を廃止したうえで業績が悪ければ降格する制度も導入する方針。17日からは創業来初となる130人の希望退職者を募るのも「大量出店を進めていた90年代後半の体制が残っており、より効率的な組織にする必要性がある」ためだ。

(10/16 15:25)

http://www.asahi.com/business/update/1016/090.html