悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年10月16日(木) 00時00分

慈恵医大青戸病院腹腔鏡手術ミス  執刀医ら3人起訴 東京新聞

 東京慈恵会医大付属青戸病院(東京都葛飾区)で前立腺がん摘出のため腹腔(ふっくう)鏡手術を受けた男性患者=当時(60)=が死亡した医療過誤事件で、東京地検は十五日、業務上過失致死罪で、執刀医だった同病院泌尿器科の斑目(まだらめ)旬(38)、主治医だった長谷川太郎(34)、前田重孝(32)の三容疑者を起訴した。同容疑で書類送検された泌尿器科診療部長と二人の麻酔科医は近く不起訴処分となる見通し。

 斑目被告らは「腹腔鏡手術に興味があり、実績を挙げて評価を上げたかった」と供述。手術前の説明不足も認め「被害者と遺族に申し訳ない」と話しているという。

 起訴状によると、斑目被告らは昨年十一月八日、男性患者に対し、知識も技術もないのに、腹部に内視鏡を挿入してモニター画面を見ながら患部を除去する「腹腔鏡下前立腺全摘除術」を実施。がん摘出後に周辺静脈を止血する際、出血で傷口が見えないまま器具を操作して傷口を広げ、大量出血を引き起こした。男性は脳死状態になり、一カ月後に死亡した。

 同手術には、斑目被告が助手として二回立ち会った経験があるだけで、三人はマニュアルを見ながら手術をしていたという。

 捜査は先月、刑事部に新設された医事係が初めて担当。「高度な技術が必要な手術だが、初歩的なことすらできず、ハンドルやブレーキも分からないで車を運転するようなもの。この三人で手術したこと自体が過失」としている。

 慈恵医大の栗原敏理事長は「医師が刑事訴追されたことは大学始まって以来の不祥事で厳粛に受け止めている。亡くなった患者と遺族に深くおわび申し上げる。刑事責任とは別に相応の措置を講じ、安全管理と質の向上に取り組む」とのコメントを出した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031016/mng_____sya_____008.shtml