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2003年10月16日(木) 00時00分

テレ朝勝訴の2審判決破棄  最高裁、審理差し戻し 東京新聞

 「埼玉・所沢産の野菜から高濃度のダイオキシンを検出した」とするテレビ朝日の報道で、野菜の安全性への信頼が傷つけられたとして、所沢市の農家が損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決が16日、最高裁第1小法廷で開かれた。横尾和子裁判長は、争点の「報道の真実性」について、証明は不十分との判断を示し、農家側の請求を退けた2審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。

 テレビ朝日は1999年2月の「ニュースステーション」で、民間の環境総合研究所(東京都品川区)がせん茶から検出したダイオキシンの最高値1グラム当たり3・8ピコグラム(ピコは1兆分の1)を、ホウレンソウを中心とする葉物野菜の数値であるかのように報じた。

 1、2審判決は、放送時は未判明ながら、別の研究者が既に所沢産のハクサイから同程度のダイオキシンを検出していた調査結果から「不適切な表現などはあったが主要な部分は真実」と請求を退けた。農家29人が上告した。

 農家側は「『環境総合研究所の調査による葉物野菜の数値が3・8ピコグラム』が報道の主要部分。番組で放送されていない別の調査の数値で、真実性が立証されたとはいえない」と1、2審判決の誤りを主張した。

 テレビ朝日は「報道の趣旨は、野菜などの農作物から高濃度のダイオキシンが検出されたという事実。誰の調査かは視聴者にとって重要ではない」と反論し、上告棄却を求めていた。

 農家側は、情報を提供し、番組に出演した研究所の所長にも、損害賠償などを求めたが、上告が受理されず、敗訴が確定している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20031016/fls_____detail__022.shtml