2003年10月16日(木) 11時16分
テレ朝ダイオキシン報道訴訟、高裁に差し戻し(日経新聞)
埼玉県所沢市産の野菜から高濃度のダイオキシンが検出されたとする報道で被害を受けたとして、同市内の農家がテレビ朝日に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が16日、最高裁第一小法廷であった。第一小法廷は「報道の重要な部分について真実であることの証明は不十分」として、農家側の訴えを退けた1、2審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。
差し戻し審では、報道の違法性について改めて審理、賠償責任の有無が争われることになる。1、2審判決は報道による名誉棄損を認めたものの「主要部分は真実」として違法性を否定。上告審では、実際は「せん茶」で検出された数値を「ホウレン草をメーンとした葉物野菜」と報じた点が「主要な部分は真実」と認められるかが争点となった。
第一小法廷は判決理由で一般視聴者は葉物野菜にせん茶が含まれるとは考えないし、他の調査結果によって重要な部分について真実の証明はできない」と指摘した。 (11:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20031016AT1G1600F16102003.html