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2003年10月14日(火) 00時49分

広がる草の根ネット新聞 市民が記者、生活者の視点で朝日新聞

 既存メディアとは違った視点でニュースを届けようと、インターネットを使って草の根の日刊新聞をつくる試みが広がっている。モデルは「すべての市民が記者」のスローガンを掲げ、成功した韓国のインターネット新聞。生活者本意で独自に取材した記事を掲げ、大手新聞との差異化を狙う。

 東京都千代田区の日本インターネット新聞社は「市民一人ひとりが記者になって本物の言論をつくり出そう」と、2月に日刊「JANJAN」を創刊した。政治、経済から暮らしの情報まで扱う内容は幅広い。8月の月間ページビューは約60万。創刊後半年間で10倍になった。

 登録中の市民記者は、会社員、学生、NPO職員ら約550人。元受刑者は「刑務所医療の貧しさ」を訴えた。「2ちゃんねる」などの掲示板への書き込みと違い、署名が原則で、メール送信される原稿の客観性を編集部が判断する。

 同社の竹内謙社長(62)は元朝日新聞記者。93年から2期鎌倉市長を務め、在任中に「情報を独占する閉鎖性は問題」として記者クラブ制度を廃止した。「政財官の癒着にマスコミも巻き込まれていると、新聞記者時代から疑問があった。市民が下からニュースを発信することで社会が変わるきっかけになれば」と話す。

 昨年6月にスタートした日刊ベリタは「国際報道に焦点を当てた、日本初のインターネット新聞」を看板に掲げる。元毎日新聞記者で神田外語大教授の永井浩代表(61)が、かつての海外特派員仲間らと立ち上げた。「01年の同時多発テロ後の報道で、米国側からの視点でしかとらえられない日本のメディアの論調にあらためて失望した。でも、批判だけでは生産的でない。多様な言説を提供する新しいメディアを作るべきだと思った」

 海外在住の市民記者をネット上で公募する一方、第三世界のニュースを得意とするIPS通信と契約した。市民記者は20カ国30都市に約50人いる。月間ページビューは5、6万台だ。

 ブロードバンド普及率が世界最高水準と言われる韓国では、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が当選後に初会見する国内メディアとして、00年2月に創刊したばかりのインターネット新聞「オー・マイ・ニュース」を指名した。市民記者の数が2万5000人を超えた同新聞は、大統領選で若い世代を中心に「盧武鉉ブーム」を巻き起こす原動力になるなど、大手紙に匹敵する影響力を持つまでに成長した。

 日本の草の根インターネット新聞に立ちはだかるのは、採算性だ。日刊ベリタの永井代表は「経営は苦しい。だが、既存メディアでは伝わらないニュースを伝えたい人、読みたい人がいるという手ごたえはつかんだ」と話している。(10/14 00:49)

http://www.asahi.com/national/update/1014/001.html