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2003年10月10日(金) 02時20分

浄水器販売7人逮捕 検査かたり強引契約 九州中心収益10億西日本新聞

 福岡市東区千早二丁目の浄水器販売会社「マスターライフ」と関連会社が水質検査と称して一人暮らしの女性宅などを訪れ、強引に高額の浄水器を販売したとされる事件で、福岡県警生活経済課と筑紫野、福岡南両署は九日、特定商取引法違反(不実の告知)容疑で、住所不定、同社元社長伏見英康容疑者(33)と同社の元社員六人の計七人を逮捕した。

 県警は、伏見容疑者らが一九九七年三月から二〇〇三年五月の間、九州を中心に東京以西の十六都県で約四千人に対して、仕入れ値数万円の浄水器を三十万—五十万円で売りつけ、約十億円の収益を得ていたとみて、営業実態などを詳しく調べる。

 調べでは、伏見容疑者らは〇二年二月下旬から五月下旬までの間、市役所の水道局員を名乗り、鹿児島県川内市の会社員男性(28)ら男女四人の自宅を訪問。水質検査と称して、水道水に塩素の含有量を調べる検査薬を垂らして変色させ「この水道水には発がん性物質が入っている。飲み続けるとがんになる。浄水器を取り付けた方がいい」などとうそを言って不安をあおり、浄水器を販売した疑い。伏見容疑者は容疑を否認しているという。

 県警によると、同社については「解約に応じない」「強引に取り付けられた」などとする苦情が一九九七—〇二年の間、全国の消費生活センターに三百二十件寄せられ、同社は〇二年六月に閉鎖。しかし、伏見容疑者はその後、別の浄水器販売会社を二社設立させ、同じ手口で営業を続けていたという。

 同センター側は三社に強引な販売をやめるよう二十回以上警告したが、改善がなかったため、県警は五月、三社の事務所などを家宅捜索。押収資料の分析を続けていた。

■独居を狙い不安あおる 被害者7割女性 勝手に取り付け/水飲めばがんになる

 二人組の男が夜、契約まで居座る—。福岡市東区の浄水器販売会社による強引な訪問販売事件で県警が聴取した被害者約百人のうち約七割が女性だった。大半が二十代の一人暮らし。同社の元社員は「部屋にあがり込んで居座れば、恐怖心から契約した」と証言する。

 元社員によると、社員らは昼間、公団住宅やマンションのベランダの洗濯物をチェックして、一人暮らしの女性が住んでいそうな部屋を確認。午後八—十時ごろ「〇〇市水道局の者です。今日が水質検査の最終日です」とうそをついて、訪問していた。

 「水質検査」で「水を飲めばがんになる」と指摘した後「一日百二十円のリース料で健康になれる」と浄水器のリースを勧誘。一人が浄水器の説明をしている間に、別の一人が浄水器を勝手に取り付け「リース料は口座引き落としだから、預金通帳を見せて」と言って残高を確認。五十万円以上あったら「リースより買った方が得」と購入を持ちかけるという。

 客の大半は購入を拒否する。それでも「もう中古品になった。契約しないなら捨てるしかない。うちは引き取れない」と言って売りつけた。簡単に契約できた客の家には「風呂場も必要」と次々と取り付けていたという。

 福岡市消費生活センターによると、訪問販売による苦情・相談件数は増加傾向にあり、昨年一年間では過去最多の二千九百三十八件にのぼる。捜査幹部は「市役所職員などと名乗る業者からの訪問を受けたら身分証の提示を求めて確認し、絶対家に入れないで」と注意を呼びかけている。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031010-00000016-nnp-kyu