2003年10月09日(木) 00時00分

BSE感染肉牛／農水省が患畜に認定（朝日新聞・）

県、牧場からの牛移動禁止

　葛尾村で飼育された肉用牛が牛海綿状脳症（ＢＳＥ）に感染していた問題で農林水産省は７日夜、この牛を家畜伝染病予防法に基づく対応が必要な「患畜」と認定した。県は牧場に残っている牛の移動を禁じるよう農家に指示したほか、８日には県ＢＳＥ対策本部を設置。風評被害の防止に向け、各方面への経過説明に追われた。

　感染牛は生後２３カ月のホルスタインの雄。この牛から見つかったＢＳＥのたんぱく質は、従来とは異なる種類だったため、農水省は、牧場で同居していた１９７頭の牛についてしばらく移動を禁じ、さらに情報を収集した上で対応を判断することにしている。

　県は農水省による原因解明を見守る一方、風評被害を防止するため、関係団体などへの説明をしている。

　川手晃副知事はこの日、ＪＡ福島五連の永沼幸人副会長を訪ね、県の対応を報告。「問題のある牛は１頭、１グラムたりとも市場に出回ることはない。生産や流通の現場と互いに連携し、冷静沈着に対応したい」などと話した。

　永沼副会長は「全頭検査を継続してやることが、消費者の安心につながる。経費は莫大（ばくだい）と聞くが、しばらくは続けてほしい」と話し、県からも国へ働きかけるよう要望した。これまでのところ、市場は冷静に反応しているという。（10/9）

http://mytown.asahi.com/fukushima/news02.asp?kiji=4828