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2003年10月09日(木) 20時08分

女生徒殺害で無期懲役 裁判長「国が人を殺すのは困難」朝日新聞

 02年7月、群馬県大胡町で女子高生(当時16)を連れ去って殺害、身代金を要求したとして殺人や拐取者身代金取得などの罪に問われ、死刑を求刑された同県粕川村込皆戸、無職坂本正人被告(37)に対し、前橋地裁は9日、無期懲役の判決を言い渡した。久我泰博裁判長は「冷酷、残虐で凶悪な犯行」と述べた。また閉廷後、女子高生の両親に「納得はいかないでしょうが、犯罪者が人を殺すことはたやすくても、国家が人を殺すことは難しいのです」と釈明した。

 判決などによると、坂本被告は昨年7月19日午後、大胡町内の路上を歩いていた女子高生を車に押し込んで連れ去り、約5キロ離れた同県宮城村の山林で首を手で絞めたあと、さらにカーステレオのコードで絞めて殺した。殺害後の同日夜から翌日昼ごろまでの間、数回にわたり、女子高生の携帯電話を使い、「金を用意しろ。娘がどうなってもいいのか」などと自宅に脅迫電話をかけ、同県内の路上で身代金として23万円を受け取った。

 公判で、坂本被告は起訴事実を全面的に認めていた。犯行の動機については、児童相談所にいる別れた妻や子に会うため、職員に面会を強要する手段として女子高生を人質に取ろうとした、などと説明した。前妻らは坂本被告から家庭内暴力を受けたため、保護されていた。

 検察側は「身勝手な動機で、人間性のかけらもなく、矯正を試みることは無意味だ」などとして坂本被告に死刑を求刑していた。

 この裁判をめぐっては、両親や中学時代の仲間が中心となって極刑を求める署名約7万6千人分を前橋地検に提出していた。女子高生の父親は弁護士を通じ、「残念だ。犯人の命の方が尊いのでしょうか。司法と一般感情のずれに悲しみをおぼえます」とのコメントを発表した。(10/09 19:34)

http://www.asahi.com/national/update/1009/009.html