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2003年10月09日(木) 15時47分

「お布施は店の売上金で」ヤミ金帝王が“上納”を指示読売新聞

 指定暴力団山口組系五菱(ごりょう)会のヤミ金融グループによる出資法違反事件を巡り、店長や従業員が店の売上金を使って、グループ最高責任者で「ヤミ金融の帝王」と呼ばれる梶山進被告(54)が関与する宗教法人に「お布施」をしたり、海外旅行などで散財したりしていたことが、警視庁の調べでわかった。

 また、店長らは五菱会系の風俗店に通うよう強要もされており、警視庁では同会への事実上の“上納”とみて、資金の流れ解明に全力を挙げている。

 調べによると、ヤミ金融グループの従業員らは5年ほど前から店長の指示で毎月1回、北海道にある宗教法人の「教祖」が都内のホテルで行う祈祷(きとう)に参加し、1人1万円前後のお布施をしていた。梶山被告は、この宗教法人の役員をしており、従業員は調べに対し、「お布施の金は店の売上金から出すように言われていた」と供述した。

 また、グループ各店は、梶山被告の支配下にある食品会社から毎日、「おやつ」としておにぎりを買わされていたほか、店長らは、複数の店を統括するグループ幹部から、都内の焼き肉店に通い、売上金で飲み食いするようにも指示されていた。警視庁が調べたところ、焼き肉店は梶山被告の知人が経営していた。

 同庁では、梶山被告が各店を統括するグループ幹部を通じて店長や従業員に指示し、ヤミ金融の収益の一部を自らの周辺に還流させていたものとみている。

 一部グループの店長や従業員ら数十人は、店の売上金を使って、沖縄でダイビングのライセンスを取ったり、バスをチャーターして温泉旅行に行き、店対抗の「一気飲み大会」を開いたりもしていた。一気飲みで優勝した店の店長には、賞金として1万円札の束が渡された。売上金を使ってハワイやグアムへ海外旅行に出かけていたグループ幹部や店長もいた。

 一方、従業員らは、五菱会系暴力団幹部が東京・池袋で経営していた違法風俗店(警視庁が先月、風営法違反で摘発)にも、店の売上金で通うよう、グループ幹部から命令されていた。1回につき2万円を支払うことやグループ名と氏名を名乗ることが義務づけられており、金だけ払って帰る従業員もいたという。同店は2000年6月以降、摘発されるまでに約8000万円の利益を上げていた。

 ◆宗教法人=宗教法人法により、都道府県知事または文部科学大臣の認証で法人格を与えられた宗教団体。お布施など宗教活動で得た収入は非課税扱いとなるほか、営利事業などでも優遇されている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031009-00000306-yom-soci