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2003年10月08日(水) 00時00分

BSE問題 雄牛の感染は初めて 東京新聞

 「専門家会議でシロになると思っていた…」。県内産で生後二十三カ月のホルスタインの雄牛が牛海綿状脳症(BSE)と判定されて一夜明けた七日、県の担当部署の畜産振興課などにはあらためてショックと困惑が広がっている。全国では今回までに七件の感染例があるが、いずれもホルスタインの雌牛で、搾乳を終えた六十四カ月以上の廃牛。しかし栃木生まれの問題の牛は、初の雄牛の感染牛だった。同課担当者は「これまでとは違うBSEのようなので、国の指示を待って対処したい」と声を絞り出した。 (吉田 通夫)

■緊急に防疫対策本部会議

 畜産振興課によると九月三十日に、全頭検査をしていた茨城県から、今回の雄牛に感染の疑いがあることを知らされた。最終的に「非定型的BSE」という前例のない判定を受け、山口幸志課長は「聞いたことのない言葉。正直、シロになると思っていた」と驚きを隠せない。

 七日には、庁内組織「BSE防疫対策本部」(本部長・橋本俊一農務部長)の会議が緊急に開かれた。しかし、具体的な対応方法などについては触れられず、会議は三十分程度で終了。橋本部長は「現段階で県ができることは、関係する五業者に取引自粛を申し入れることぐらい。国が対応方針を決めるのを待つほかない」。正体のはっきりしない不気味な敵への県レベルの対処の限界をにじませた。

 国の出先である関東農政局も「本省で決められれば対処する」と、現段階では動けずにいる。

 一方で、畜産振興課は一日から、五業者について、BSEの原因になるとされる肉骨粉の使用歴を調べた。しかし、肉骨粉を飼料に使用したことを示す資料は見つかっておらず、五業者とも「使っていない」と話しているという。同課などが二〇〇一年に実施した畜産農家全戸を対象にした立ち入り検査でも、この五業者からは肉骨粉は見つからなかった。

 同課は「何らかの形でこの牛が肉骨粉を摂取したと考えるのが自然」として、一日公表された国のBSE問題の最終報告書を参考に「感染牛を原料にした肉骨粉が牛の飼料に交じる『交差汚染』なども考えられる」などと推測している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20031008/lcl_____tcg_____000.shtml