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2003年10月08日(水) 08時30分

「ユビキタス社会」先取り、幕張で電子機器の展示会開幕朝日新聞

 映像や情報通信機器の世界的な総合展示会「CEATEC(シーテック) JAPAN2003」が7日、千葉市の幕張メッセで始まった。今年のテーマは、家電など身の回りのあらゆる製品がネットワークで結ばれ、時空自在に利用できる「ユビキタス社会」だ。ネット化の主役がこれまでのパソコンから情報家電へと移り、パソコンでは米国勢に圧倒された日本勢の巻き返しが期待される。

 「晩ご飯は何にしようかな」。若い夫婦がテレビ画面を操作すると、数種類の献立が映し出された。グラタンを選んで送信。台所のオーブンレンジに調理時間と温度が自動で設定された。松下電器産業が出展した、ネット家電のある暮らしだ。

 松下は9月から、ネット家電のシステム「くらしステーション」を関西地区で販売。洗濯機やエアコンの操作やセンサーを使った留守宅の監視などが、携帯電話などを利用して外出先からできるのが特徴だ。

 日立製作所は、ボールペンに0.4ミリ角の極小ICチップを埋め込んだ「ユビキタスペン」約2万本を配布。ペンで感知器に触れると各製品の説明が画面に出る。美術館や博物館などの混雑状況の把握などに応用できるという。

 携帯電話の技術出展も多い。シャープは、パソコン画面の文字をつぶさずに携帯電話画面に表示できる超高精細液晶をアピール。三菱電機は「機能分離型」と呼ぶ次世代の携帯電話を国内で初公開した。テレビチューナー(受信機)やゲームコントローラーなどの機能を外付けし、1台で何役もこなす。ホームサーバーなど家庭用コンピューターと接続し、データのやり取りも可能だ。

 映像機器では、ソニーが家庭用ゲーム機とDVD(デジタル多用途ディスク)録画再生機の機能を融合した「PSX」2機種を一般に初公開。年末に発売予定だ。

 「いつでもどこでも何でもつながる」というユビキタス社会では、情報家電が市場の牽引(けんいん)役になると期待されている。国産のOS(基本ソフト)「トロン」の開発者で、9月に米マイクロソフトと提携したトロン普及団体の代表を務める坂村健・東大教授は「ユビキタスの実現は我々の生活を大きく変える。産官学の連携と国益を考えた高度な戦略が大切だ」と講演し、情報家電などで日本メーカーが主導権を握る必要性を強調した。

 展示会には国内外の667社・団体が出展している。11日まで。

(10/08 08:29)

http://www.asahi.com/business/update/1008/053.html