2003年10月07日(火) 00時00分

県、ＢＳＥ牛の移動制限を指示（朝日新聞・）

　県内生まれの肉牛で国内８例目の牛海綿状脳症（ＢＳＥ）感染が判明した問題で、県は７日、出生地の可能性がある県北の酪農家４戸と育成農家１戸に対し、飼育する計４０８頭の牛に感染の恐れがあるとして、家畜伝染病予防法に基づく移動制限を指示した。既に出されていた移動自粛要請と違い、強制力がある。

　県などによると、今回のケースは、ＢＳＥの原因、異常たんぱく質プリオンの性質が従来と異なる「非定型」とされる。また問題の肉牛を解剖しても、ＢＳＥの証拠となる脳のスポンジ状の穴はなかった。つまりＢＳＥが発症するかや、他の牛へ感染するかが不明で、農林水産省は７日も対応策の検討を続けた。

　その結果、同省は、感染力の特定には動物実験などがさらに必要としつつも、家畜伝染病予防法に基づき強制力を伴う防疫措置が必要と判断。問題の肉牛を「患畜」と指定して、同居した牛すべての隔離を求めた。

　これを受け県は、出生地の可能性がある酪農家４戸の１５８頭と育成農家１戸の２５０頭の牛について、最大で３週間の移動制限を指示した。今後、非定型プリオンの感染力が確認されると、隔離された４０８頭は「疑似患畜」として処分される。

　また同日、県ＢＳＥ防疫対策本部の臨時会議が県庁であり、これまでの経緯や県の当面の対応について確認。出生に関連する農家５戸に対し、飼育方法に感染原因がなかったか調べるため、県北家畜保健衛生所が立ち入り調査を進めていく。（10/7）

http://mytown.asahi.com/tochigi/news02.asp?kiji=3690