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2003年10月07日(火) 07時05分

スカイマーク青森—東京線運休へ 格安運賃も浸透せず河北新報

 スカイマークエアラインズ(東京)が11月末での青森—東京線運休を決めた。4月下旬に撤退した全日空から路線を継承したが、不便なダイヤ設定や東北新幹線との競合、知名度不足から搭乗率が低迷。売り物の格安運賃を十分浸透させられないまま、事実上撤退する。就航からわずか7カ月での運休は、空路の利便性低下だけでなく、空港ビル経営にも影響を与えている。(青森総局・藤田杏奴)

<復活のめど立たず>
 スカイマークの井上雅之社長は9月16日、青森県庁に三村申吾知事を訪ね、運休を伝えた。「何とか近い将来、復活させてもらえないだろうか」と求めた三村知事に、井上社長は「ある程度、搭乗率が確保されないと何とも言えない」とこわばった表情で答えた。

 同社は4月25日、青森—東京線に参入。競合する日本エアシステム(JAS)と比べ、割引運賃を最大で7500円安い1万5000円に設定するなど、高止まり傾向にあった同線に価格競争を持ち込んだ。

 しかし、1日6往復のJASに対し、青森発が日中と夜の2往復という不便なダイヤ設定が響き、4—8月の平均搭乗率は39%と、採算ラインの55%を下回った。低運賃をアピールしようと、繁忙期の夏休み期間も普通運賃を据え置いたが、49%と振るわず、「運休への駄目押しになった」(同社社長室)。

 低迷の背景には、昨年12月の東北新幹線八戸開業後、青森空港の東京線利用者数が減少傾向という事情もある。青森県によると、昨年12月から今年8月までの東京線全体の利用者は月平均約7万6000人と、前年より約3000人減り、多くがJRに流れたとみられる。

<足りない営業努力>
 東北初参入の同社には、知名度不足も壁となった。青森—東京線と同時就航した徳島—東京線の搭乗率は67%(8月)まで伸びている。井上社長は「既に東京線が就航していた福岡や鹿児島に近い徳島と比べ、青森では認知度が低かった」と分析する。

 同社のチケット販売はインターネットや電話での予約が中心。青森市中心部に営業所は置かなかった。市内の旅行代理店は「青森県のインターネット普及率は全国でも低く、対面販売に慣れた人が多い。知名度が低いのに、営業努力が足りなかった」と指摘する。

 こうした声に対し、井上社長は「大手と比べ、機材も人材も限られている。もっと体力があれば青森線運休も避けられるが、現状では難しい」と無念さをにじませる。

 運休は、青森空港ビルの経営にも余波を及ぼしている。同ビルは来年から約14億円かけて増改築を予定していたが、毎月のテナント収入の1割を占める同社の使用料約350万円が運休後になくなる。計画縮小は避けられない見通しだ。
[河北新報 2003年10月07日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031007-00000003-khk-toh