2003年10月04日(土) 20時45分

放射線の過剰照射、判明から１か月半後に厚労省に報告（読売新聞）

　青森県弘前市の国立弘前病院（伊藤文也院長）で、がん患者ら計２５４人に過剰な放射線を照射していた問題で、同病院は、過剰照射に気付いてから約１か月半、厚生労働省に報告していなかったことが４日わかった。

　病院側によると、今年８月中旬、男性患者の１人が過剰照射の副作用の疑いがある直腸炎を発症したことをきっかけに、医療ミスが判明。しかし、病院はこの時点で厚労省に報告せず、会見を行った今月３日に初めて報告したという。同省の医療事故マニュアルでは、医療事故が発生した際、速やかに報告するよう義務づけている。

　同病院の工藤輝昭庶務課長は「８月の段階では、原因や人数がはっきりしなかった。ある程度の事実確認をしてから報告すべきだと思った」と述べ、意図的に報告を怠ったことを否定した。

　病院は、該当患者の所在確認を始めたが、電話などによる問い合わせが相次いだ。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031004-00000312-yom-soci