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2003年10月03日(金) 14時58分

ダフ屋「トラ党」8人逮捕、ネットで高値転売読売新聞

 阪神タイガースの私設応援団員らが、阪神戦チケットを常習的に不正転売していた疑いが強まり、警視庁生活安全特別捜査隊と愛宕署などは3日までに、応援団員ら8人を東京都迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)容疑で逮捕した。

 首位独走で阪神フィーバーがわき起こった裏で、阪神戦のチケットを買い占めたうえ、インターネットを悪用して高値転売し、不正に稼いでいたものとみられる。

 逮捕されたのは、東京都中野区弥生町、会社員長谷川一孝容疑者(26)、品川区大崎、無職井上智之容疑者(27)、ホームレスら計8人。

 調べによると、長谷川容疑者らは共謀して、今年8月9日午前10時から午後2時ごろにかけて、東京ドームのチケット前売り所で、不特定の相手に転売する目的で、9月20、21日に開催された巨人対阪神戦のチケット138枚を64万7800円で購入した疑い。警視庁では余罪を追及する。

 警視庁によると、長谷川容疑者は、阪神私設応援団「関西連合会」のメンバー。当日は午前6時ごろから、新宿中央公園にいるホームレス約70人を日当1500円で雇い、東京ドームに連れて行き、前売り所に並ばせていた。入手したチケットは、井上容疑者がインターネットオークションに出品して、S席チケット(定価5900円)の場合、2枚1組1万5000—3万500円で販売していたという。

 長谷川容疑者は「ホームレスを集めて、2年前からチケットを買い占めていた」と供述している。阪神応援団は約30団体あるが、関西連合会は有力な団体の1つという。

 ◆ネットオークション普及で素人急増◆

 チケットを転売して稼ぐダフ屋は従来、暴力団員が大半だった。しかし、インターネット・オークションの普及に伴い、サラリーマンや主婦ら素人のダフ屋が急増している。

 巨人対阪神戦チケットの前売り開始日、窓口での販売が始まると、わずか数時間のうちに、インターネットの「ヤフー・オークション」には売り出されたばかりのチケットが続々と出品されてくる。発売から2、3日で出品枚数は数千枚に達する。人気の阪神戦ともなると、定価1700円の東京ドーム外野指定席券が2万円以上で取引される。

 公開されている出品履歴をたどると、プロ野球の1シーズンで数百枚のチケットを売りに出している者もいる。1人で数百万から1000万円の収益を得ていることになる。

 出品者自らが入札して相場をつり上げる“価格操作”も横行。ネット・オークションの利用客は「出品者や入札者のユーザーIDを見ると、仲間同士で価格をつり上げているとしか思えないケースがある。一般の人にはますます手に入りにくくなるわけで、腹立たしい」と怒りをぶつける。

 国内の大手競売サイトは3つ。最大のヤフー・オークションでは月間の取扱高が三百数十億円に達し、その中でスポーツやコンサートのチケットが年々増加している。発売直後から大量のチケットが売りに出される現状は、高値転売を目的とするダフ屋行為がまんえんしていることを示す。だが、ヤフー広報は「常に監視しているが、ダフ屋行為なのか、個人で余ったチケットを売っているのか区別できない」と述べ、有効な防止策を打ち出していない。

 こうした中、ネット・オークションで荒稼ぎする素人が急増。サラリーマンや主婦がダフ屋行為で摘発される事件が出てきた。警察当局は素人ダフ屋を「シロダフ」と呼ぶ。金券ショップへチケットを転売していた暴力団系ダフ屋も、最近はネット・オークションに参入し始めた。

 警視庁では「チケットをオークションに出した素人が『意外に高く売れた』と、はまっていく。ネットの匿名性、パソコンさえあればだれでも高値転売できる仕組みのせいで、素人とプロの境目がなくなってきた」と分析、インターネットを悪用したチケット転売の摘発に力を入れることにしている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031003-00000006-yom-soci