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2003年10月03日(金) 03時08分

<青戸病院事件>医師の技術「問題なし」 調査報告書で毎日新聞

 東京慈恵会医科大学付属青戸病院(東京都葛飾区)による前立腺摘出の腹腔鏡手術ミスで、同病院が死亡した男性(当時60歳)の遺族に渡した調査報告書に、業務上過失致死容疑で逮捕された執刀医の斑目(まだらめ)旬容疑者(38)らの技術に「問題点が見当たらない」と記載していたことが分かった。同病院は斑目容疑者が助手として2例の手術経験しかないことを知っており、ミスの隠ぺいとも取れる事故後の対応も厳しく問われそうだ。

 報告書は男性が死亡する2日前の昨年12月6日と今年2月1日の2回、作成された。相沢良夫副院長を委員長とする医師ら7人で構成された事故調査委員会が、手術中の様子を撮影したビデオの分析や関係者から聴取した結果としてまとめた。

 1回目の報告書は「ビデオの検討結果からも(技術に)問題点は見当たらない」と断言。手術が長時間に及んだ理由も「慎重を期すあまり、前立腺摘出に思いのほか長時間を要した」と説明している。多量の出血に関しては「判断の甘さを指摘することができるが、判断は必ずしも容易ではなかった」と責任を回避する表現になっていた。

 遺族の抗議で出された2回目の報告書でようやく「事故の責任」に触れたが、「特定の個人に明確な責任があると指摘するのは困難」と結論付けていた。同手術が高度先進医療の対象技術である点には両報告書とも触れていなかった。

 警視庁亀有署捜査本部は同じビデオを他の専門家に見せて調べを進め、ベテラン医師なら約20分の静脈の止血が2時間たっても終わらなかった斑目容疑者の技術の未熟さや、経験不足から開腹手術への切り替えの判断と追加輸血の準備が遅れた過失が競合し、事故を招いたと判断した。

 同病院の落合和彦院長は毎日新聞の取材に対し、「報告書でミスを隠すという認識は全くなかった」と文書で回答した。【草野和彦、川辺康広、長谷川豊】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031003-00000128-mai-soci