2003年10月03日(金) 00時00分

市民病院患者死亡 不注意を認める （東京新聞）

　横浜市立市民病院で人工呼吸器を誤挿管された五十歳代の男性患者が死亡した医療事故で、診療した複数の医師は、誰も異常に気付かなかった。福島恒男病院長らは二日、「人工呼吸器挿管では通常、食道への挿管を最も注意する」とし、注意が足りなかったことを認めた。

　男性患者が磯子区内の民間病院から転送されたのは、三十日午前七時。翌朝までの間、定期的な呼吸状態の確認のほか、エックス線撮影でも挿管位置を確認していた。

　それでも発見できなかった理由を同院は、誤挿管の際に通常表れる兆候が出なかった、気管の状態が見えにくかった、不自然な呼吸があったが肺炎の影響と思いこんだ−などが重なったためだという。そのうえで「同時に複数の医師が見ていたら気付いたはず」とし、再確認を徹底するなど再発防止に努めるとした。

　一方、食道に挿管されたことについては、「市民病院でそうなった可能性はない」と否定。民間病院が誤挿管したか、搬送中に何らかのはずみで食道に入ったかのどちらかだとした。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20031003/lcl_____kgw_____002.shtml