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2003年10月02日(木) 12時49分

住基ネット:「侵入可能」に「やっぱり…」毎日新聞


 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の安全性に、大きな疑義が広がった。長野県が実施した住基ネットへの侵入実験で、防御システムが不十分なことが2日、明らかになり、参加を見合わせている自治体などからは「やはり、安全性に絶対はなかった」との声が上がった。総務省は依然としてシステム全体の安全性に自信を示すが、今後、安全対策見直しの動きが広がりそうだ。

 安全面の確認ができていないとして、不参加を希望できる「市民選択方式」を継続している横浜市の中田宏市長は「横浜市民の情報を、横浜市の中だけでは守りきれないということが、よく分かる。責任のあり方をよく考えないといけない」とした。今後の対応では「国がより一層実効性ある形をとるか、もしくは、地方がそれぞれの参加形態を考えるか。どちらかを考えていく必要がある」と話した。

 住基ネットから離脱している東京都国立市の上原公子市長は、長野県の実験結果に「絶対に安全宣言はできないのは常識。『ああ、やっぱりね』という感じ」。同市は昨年8月の1次稼働でいったん接続したが、同12月に離脱。今年7月から外部の専門家2人に必要な措置などの検討を依頼している。上原市長は「1カ所弱い所があれば崩れていくのがネットワーク。(安全性に)半信半疑の人たちに、安全ではないことを確認させることになり、長野には貴重な実験をやってもらった」と述べ、今後の検討も「住基ネットは外部からの侵入が可能」との前提で進むとの認識を示した。

 同じく住基ネットから離脱し、選択制の導入を表明している東京都杉並区の四居誠・区民生活部長は「侵入される危険性は高いと思っていたので、意外ではない」と話した上で、「長野県がどういう条件で、どういう実験をし、どういう結果になったか、他の自治体にも分かるようにしてほしい」と話した。早急に長野県に実験結果を照会していくという。

 マニフェスト(政策綱領)に「住基ネットの見直し」を掲げて8月に当選したばかりの上田清司・埼玉県知事は「『第三者の専門家から客観的な評価を受けてから公表したい』としているようなので、私としては公表を待ちたい」とコメント。上田知事は「事実とすれば、かねがね心配していたことが起こったということだろう」と述べ、今後、住基ネットのあり方に関する研究組織でシステム上の問題も検討する意向を明らかにした。

[毎日新聞10月2日] ( 2003-10-02-12:49 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031002k0000e040052000c.html