悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年10月01日(水) 01時49分

新幹線「品川駅」が開業 値下げで航空に“攻勢”東海道新幹線品川駅が開業、下りホームで行われた一番列車の出発式=1日午前6時27分東海道新幹線品川駅で乗り込む利用客=1日朝産経新聞

 東海道新幹線品川駅が1日開業した。JR東海、西日本はダイヤ改正で「のぞみ」を大増発するとともに、料金値下げや自由席新設などサービス面を拡充。近年、東京−大阪間をはじめとして航空会社が各種の割引を展開し航空利用の割合が高まっており、開業を機にJRは“攻勢”をかける。

 JR東海はこの日朝、駅ホームで下り一番列車の出発式をし運転の安全を祈願。沿線6駅でも上りの出発式を実施。

 ダイヤ改正で東海道区間は朝夕のピーク時に「のぞみ」を約10分間隔、最大で1時間当たり7本運転する。これまで一部列車は最高速度が時速220キロだったが「のぞみ」「ひかり」「こだま」ともに最高速度270キロの車両にする。首都圏から大阪に向かう場合、所要時間は20−30分短縮される。

 「のぞみ」の指定席料金を東京−新大阪、新大阪−博多で各670円値下げするなど料金面も見直した。「ひかり」との指定席料金差も約3分の1に圧縮。東京−新大阪間の指定席では携帯電話・パソコンで予約する「エクスプレス予約」が最も安く1万3200円。自由席と回数券利用の場合「のぞみ」「ひかり」「こだま」の料金は同じになった。

 開業で渋谷など首都圏南西部からのアクセスが便利になる。JRは将来、スムーズな車両の出入りが可能な品川駅発着を実現させ、大幅な輸送力アップを目指す。

 品川駅には列車を止めておく留置線が3本あり、東京駅などでトラブルが起きた場合、留置線を利用して品川で折り返し運転し、復旧のスピードアップを図る。

 東海道新幹線品川駅が開業した1日、初めて停車する「一番列車」に乗ろうと乗客や鉄道ファンら約550人が早朝からホームに詰め掛けた。品川始発でないため、停車時間はわずか1分。葛西敬之JR東海社長らは慌ただしい出発式を行い、開業を祝った。

 午前6時半ごろ、下りの一番列車が到着。ホームに降りてきた運転士と車掌に地元の小学生が花束を贈った。すぐに列車に戻ると、新幹線品川駅の阪堂史朗駅長の「出発進行」の合図に合わせ、ホームで葛西社長らがテープカットし、くす玉が割られた。

 一番列車で夫と日帰りの奈良観光に向かう品川区の主婦(55)は「新幹線の駅が近くなって便利になった。年に何回か2人で鉄道旅行しているが、回数が増えるかも」とうれしそう。

 コンコース内の売店も1日から営業開始。弁当店の長場美香さん(27)は「歴史的な日でどきどきしている。笑顔であいさつし、1人でも多くのお客さんにいい駅だと思ってもらいたい」と話していた。

 東海道新幹線のダイヤ改正に伴い1日、JR名古屋駅の新幹線ホームでも出発式が行われ、テープカットの後、午前7時9分、JR東海の関係者ら約60人が新開業の品川駅にも停車する「のぞみ102号」の出発を見送った。

 JR東海の須田寛会長は「たえず進歩を遂げる新幹線でありたい」とあいさつ。ダイヤ改正を記念して募集されたツアーに参加した女性2人と車掌に花束が贈られた。

 のぞみ102号はほぼ満席状態で、企業の内定式に向かうスーツ姿の若者の姿が目立った。名古屋市の伊藤彰さん(23)は「これから内定式で東京に行く。移動時間が短くなって良かった」と話していた。

 新幹線品川駅 東海道新幹線17番目の駅。東京−新横浜間に位置し首都圏南西部からのアクセスが便利になる。すべての列車は品川、新横浜のいずれかの駅か、両方に止まり、品川駅の停車本数は上下合わせて1日186本。JRの在来線や京浜急行の品川駅が隣接する。東海道新幹線の新駅は1988年の新富士、掛川、三河安城の3駅同時オープン以来で15年ぶり。97年の着工で総工費約950億円。

http://www.sankei.co.jp/news/031001/1001sha034.htm