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2003年10月01日(水) 03時10分

50歳代男性、輸血でHIV感染か…厚労省が調査指示読売新聞

 東日本の病院で輸血を受けた50歳代の男性が、輸血後の血液検査でエイズウイルス(HIV)感染が判明したとして、男性の主治医が9月上旬、厚生労働省に「輸血による感染が強く疑われる」と報告していたことがわかった。

 同省は「感染原因について慎重に結論を出したい」として、日本赤十字社に詳細な調査を指示するとともに、1日開かれる薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会に事実関係を報告、今後の対応について検討してもらう。

 国内では1999年、献血時にNATと呼ばれる検査が導入された後、輸血によるHIV感染例は確認されていない。

 関係者の話などによると、この男性は持病のため人工透析を続けており、今年3月から7月にかけて、透析に伴う貧血で計3・5リットルの赤血球輸血を受けた。男性はその後、別の病院に転院、そこで血液検査を受けHIV感染が判明した。

 男性が輸血を受ける前にHIVに感染していたかどうかは不明だが、転院先の主治医は、日赤を通じて厚労省に「男性は持病などのため、この10年間に性行為による感染の可能性がなく、HIV感染は輸血が原因と強く疑われる」などと報告してきた。

 日赤のこれまでの調査によると、男性が受けた輸血用血液は8人の献血者から採血したもので、8人の保管血液を再検査したところ、いずれもHIVは検出されなかった。しかし、現在の検査技術では、ごく微量のHIVが混入している場合、検出できない場合があり、献血時の検査をすり抜けた可能性もあるとして、調査を継続している。

 また、8人の献血血液からは、男性に使われた赤血球以外に、輸血用の新鮮凍結血漿(けっしょう)が3本作られ、男性以外の3人の患者に使用されていたことから、この3人がHIVに感染していないかどうかの追跡調査も行っている。

 厚労省では、「現時点では、輸血が原因と断定できる証拠はないが、否定するだけの証拠もない。委員会の意見を踏まえ、対応を考えたい」としている。

 ◆NAT=核酸増幅検査のこと。ウイルスの遺伝子の断片を増やして検出する高精度の検査方法だが、ウイルス量が極めて少ないと検出できない場合がある。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031001-00000101-yom-soci