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2003年10月01日(水) 00時00分

イワシ高騰、タイ超える 1匹500円に専門店悲鳴イワシ専門店の仕込み作業。さばいている中ぶりのイワシ1匹がこの日は200円と高騰している=9月29日、東京・新橋産経新聞

 大衆魚のマイワシに異変が起きている。不漁が続いて1匹500円近くまで跳ね上がり、高級魚のタイを超えることも。「猫またぎ」と呼ばれ、肥料や養殖魚の餌にされたのは遠い昔だ。イワシ料理店は「採算が取れない」と頭を抱えている。

 東京都中央区の築地市場。体長22センチ以上の大型のマイワシは、1キロ(7、8匹)3000円台で売られることもしばしば。かつてマイワシをエサにしていた養殖ハマチやブリをしのぎ、養殖のタイより高い。同市場の卸売業者、第一水産は「消費者のイメージは安値の時代のまま。この価格では売りにくい」と話す。

 戦前の豊漁期、マイワシは「ほしか」「しめかす」として肥料にされ、田畑にまかれた。年間漁獲量が300万トンを超えた1980年代は浜値で1キロ20円に暴落。養殖魚の飼料に回された。

 しかし、90年代以降激減し、今年も8月末までの国内主要漁港の水揚げは約2万6000トン。水産庁漁場資源課は「水温変化などが原因とされるがはっきりしない。たとえ環境が好転しても親魚がいないので、急に戻ることはない」と分析する。

 この影響を最も受けたのが都内のイワシ料理店だ。83年に開店した老舗イワシ料理店「長屋」(港区新橋)。刺し身やウメ煮、胃袋の塩辛など50種類が並ぶ。店主の柴山裕行さん(54)は「イワシ料理にしたのは、とびきり安くて1年中捕れたから」と振り返る。開店当時の仕入れ値は1キロ150円前後だった。

 この10年間は不況で接待が減り、たたみイワシや目刺しの注文が増えた。値上げはできない。「この不況と不漁が続けば、日本からイワシ料理屋は消えてしまう」と柴山さんは嘆いた。

http://www.sankei.co.jp/news/031001/1001kei036.htm