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2003年09月30日(火) 23時50分

国内のBSE感染、80年代からか 最終報告書発表 朝日新聞

 牛海綿状脳症(BSE)の感染源などを調べていた農水省の「BSEに関する技術検討会」は30日、感染原因の一つと見られていたイタリア産の肉骨粉に加え、82年と87年に英国から輸入された牛で作られた肉骨粉が感染源となった可能性があるとの最終報告書をまとめ、公表した。国内のBSE感染は80年代にすでに始まっていたとみられることになる。しかし、国内で確認された感染牛7頭の具体的な感染源や感染経路については、最終報告書でも特定できなかった。

 同検討会のBSE疫学検討チーム(座長・山内一也東大名誉教授)が7頭の感染牛について詳細に調査した。

 その結果、日本への流入経路として、(1)英国で感染が広まっていた80年代に生まれた牛が82年と87年に計14頭輸入され、その中にいた感染牛が日本で肉骨粉に加工されて国内牛が感染した(2)90年以前に輸入され、加熱処理が不十分だったイタリア産の肉骨粉に病原体が含まれ、そこから国内牛が感染した——という可能性を指摘。いずれの場合も、そこで感染した国内牛から肉骨粉が加工され、さらにほかの牛へと連鎖的に感染が広まったとの見方を示した。

 肉骨粉の工場は、豚や鶏用の飼料と製造ラインを共有している例が多く、こうした製造段階で感染源が他の飼料に混入した疑いがある。実際に見つかった感染牛の出生・生育地などから、北海道と関東に、それぞれ感染源があったとみている。

 一方、オランダ産の動物性油脂を使った代用乳については、7頭すべてに与えられていたが、感染源に結びつけるのは難しいとした。

 その上で検討会は、今後3年間に関東地方で7〜9頭、九州地方で5〜7頭、北海道で3〜4頭の感染牛が見つかる可能性があると予測した。ただし「あくまでも計算上のもの。現実と違うこともある」としている。

 7頭とは別の感染源でBSEが発生する可能性もあることなどから、山内座長は「海外から再びBSE病原体が国内に侵入する恐れは今後も続くと考えなければならない」と指摘した。(09/30 22:17)

http://www.asahi.com/national/update/0930/032.html