2003年09月30日(火) 15時04分

＜プリマハム＞卵白使用を「問題なし」と虚偽回答（毎日新聞）

　プリマハム（東京都）が流通大手の「イオン」（千葉市美浜区）から製造委託を受けた製品をめぐる食品衛生法違反事件で、昨年１０月ごろ、プリマが下請け業者から卵白を使用していたとの報告を受けていたにもかかわらず、「問題なし」とイオンに虚偽の回答をしていたことが警視庁生活環境課の調べでわかった。両社の契約では卵白の使用が認められておらず、同課は売り上げが落ち、回収コストもかかるとみたプリマが意図的に隠ぺいを図ったとみて調べている。【田中義宏】

　調べでは、問題となった製品はイオンがプリマに委託製造した「アスパラベーコン巻」で、プリマが静岡市の食品加工会社「かつ味食産」に下請けに出し、原料のベーコンは同県吉田町の食肉加工会社「吉田ハム工場」が納入していた。

　同法の本格運用を受けてイオンは、昨年７月ごろ、製品にアレルギー物質「アルブミン」が含まれた卵白が使用されていないかどうかの調査をプリマに指示した。プリマは、かつ味食産に調査を依頼。吉田ハム工場がベーコンの製造過程で卵白を使用していたとの報告を受けた。しかし、プリマ側はイオンには「問題なし」と同１０月に回答し、かつ味食産にそのまま製造を続けさせた。

　イオンがプリマに提示した製品の仕様書では、卵白の使用が認められていなかった。プリマはＥＵ（欧州連合）から原料豚を輸入し、茨城県の自社工場で製造したベーコンを製品に使っていたが、０１年３月、口蹄（こうてい）疫問題で輸入禁止となった。このため、かつ味食産に仕入れを任せ、０１年６月から吉田ハム工場のベーコンに切り替えられていた。（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030930-00001077-mai-soci