悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年09月29日(月) 01時32分

JR中央線工事、8時間遅れ終了 配線ミスで信号故障朝日新聞

 JR中央線で27日夕から進められていた高架化に伴う線路切り替え工事で単純な配線ミスが相次いでみつかり、東京・三鷹−立川間が28日の運転再開予定時刻の午前6時過ぎから8時間近く、上下線とも運休した。配線ミスで新設した仮線路の線路分岐器(ポイント)や踏切が正常に作動しなかった。このトラブルで約18万人に影響が出た。初歩的な作業ミスを重くみた国土交通省は、JRに説明を求める。

 ●リハーサルなし

 中央線が上下線とも復旧したのは午後1時52分。午前6時過ぎに運転を再開し、同8時半に平常ダイヤに戻るはずだった。このトラブルで「あずさ」「かいじ」など特急24本を含む計234本が運休。当初予定されていた中央線の前日夕から早朝にかけての運休も含め計約38万人に影響が出た。

 工事の遅れからこれほど長時間、列車が止まるのは異例だ。

 JR東日本によると、同社始まって以来の大規模工事だけに、事前に繰り返し点検してきた。しかし、本工事前に全作業員を集めてのリハーサルや工事手順の確認などを実施しなかった。

 10月1日開業の東海道新幹線「品川駅」の場合、JR東海は同様の切り替え工事を実施し、工事の前週の夜間には全作業員を現場に集めてリハーサルをした。

 ●指揮に混乱?

 仮線路への切り替え工事自体は計画通り午前3時過ぎに終わった。しかし、その後の点検で武蔵小金井駅付近の5ポイントで、切り替え信号が送れない故障が発生。さらに午前8時半に、近くの別のポイントと踏切でも故障が見つかり、計33ポイントと4踏切の総点検を余儀なくされた。

 33ポイントで、能力通りの計172通りの線路切り替えができるかを調べたため時間がかかったという。

 JR東日本の建設工事部長は記者会見で、「現場は運転再開より原因究明を優先させてしまった」と釈明した。現場の工事対策本部のトップは部長の下の次長クラス。鉄道関係者は「トラブル時の指揮系統も明確でなく、現場が混乱してしまったのでは」と指摘する。

 JR関係者も「これだけの工事なら本社の役員クラスが現場に詰めて、トラブル時の判断をするのが普通だ」と驚く。

 ●「代替」手当てできず

 「危機管理」対策も不十分だった。JRは28日午前7時まで、京王バスに計85台で乗客の振り替え輸送を頼んでいた。復旧が遅れたため、延長を頼んだが、バス側の乗務員と車両の手配がつかず、午前9時15分にバスによる代替輸送をうち切った。別のバス会社にも依頼したが、都合がつかなかったという。しかし、沿線各駅でのチラシ配布などの利用者への情報提供はなかった。

 JRは「もっとバスを借りられるように手配すべきだったが、ここまでの事態は予想できなかった」と説明した。

 JRは、故障個所付近の作業員約100人から聞き取り調査をし、詳しい原因を調べる。(09/29 01:32)

http://www.asahi.com/national/update/0928/009.html