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2003年09月29日(月) 00時00分

女子高生のカリスマ本は携帯から人気爆発!ZAKZAK


女子高生の間でベストセラーとなっている『Deep Love』 ここ数週間、書店のベストセラーに顔を出している“ナゾの本”がある。『Deep Love』(スターツ出版)というシリーズ4冊で、作者は「Yoshi」なる人物。携帯サイトで発表されて人気となり、女子高生に口コミで広まった。10代少女の“カリスマ本”は昨年末の発売以来、4冊で80万部を突破。女子高生の琴線に触れているというのだが…。

 「涙が止まらなくて…」「読んでて切なくなった」−。インターネット書店の読者レビューには、女子高生らしき投稿者のコメントが並ぶ。

 《あっ…もう一時間は舐め続けている。

 ハゲあがった頭を小刻みに揺らして、クチュクチュ音を立てながら、オヤジが嬉しそうに言った。「オイしいね。アユちゃんのは」》

 物語は、17歳の冷めた女子高生アユがオヤジにウリをするシーンで始まる。家に帰らず、ヤリ友の部屋に泊まるアユ。

 過激な性描写。「トップには(出版を)反対されました。最初のページを読んでパタンと本を閉じる感じ」と苦笑するのは、スターツ出版の担当者だ。


Yoshi氏 雑誌などが中心だった同社が書籍への進出を計画。「自費出版で10万部を売ったすごいヤツがいる」と聞きつけた。有名作家も含め、初版本の平均は5000部。にわかに信じがたい数字だが、それが『Deep Love』だった。

 30代半ばのYoshi氏は3年半前、携帯サイトを開設。サイトに届く女子高生らからのメールを題材に小説を書き、載せ始めた。「本にして」とのメールが寄せられ、自費出版。1冊1500円で宅配便で送っていたという。

 社内の反対を押しきり、昨年末に第1部『アユの物語』を出すと、郊外型書店を中心に予想を超える売れ行きに…。3部、特別版を出版した今夏には、高校生の母親も手に取るようになった。最近は中・高校の図書館からの注文も増えている。

 荒れた生活をしていたアユは、犬やおばあちゃん、心臓病の少年に出会い、心を取り戻す。だが、エイズに体をむしばまれていた…。

 ある意味オーソドックスな展開。細かい性描写が折り込まれる一方、おばあちゃんが戦争体験や特攻隊の亡き夫との純愛を語る。「牢屋のような電車」「常識という鎧」。ちりばめられる言葉は、故尾崎豊さんを彷彿とさせる。

 従来のベストセラーの概念にはないことは確か。「本を読まない世代に支持されている」と、担当者は分析する。

 「小説を書きたいと思ったことはない。構想は10分くらい。『日本昔話』とか『フランダースの犬』を書いているつもり。結構アンチョコなの」と笑うYoshi氏は学校を卒業後、10年ほどサラリーマンをした。

 「自分が違うと思ってもやらなきゃいけない」と、サラリーマン生活に辟易し、退社。サイトを立ち上げ、東京・渋谷のセンター街でアドレスを書いたチラシを配ることから始めた。

 ミリオンセラーを目前に、本は映画化が決定。秋からはラジオ番組を持ち、テレビの出演依頼も多い。

 「(考えを)伝えることで、自分が生きていると感じる。自分が生きていることが、人の人生を変える」

 「何で女子高生の気持ちが分かるの」「援交を止めます」。読者から、そんなメールが届く。仕事で悩むサラリーマンからのメールもある。

 「大人も子供も変わらない。基本は今も昔も同じ。愛、恋、やさしさ。本質は同じだから、この本を書けた」

 物語は結局、アユをはじめ多くの登場人物が死んでゆく。Yoshi氏は彼らを「時代」の犠牲者として描く。

 ならば、この物語は「時代の寵児」か。

ZAKZAK 2003/09/29

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_09/1t2003092916.html