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2003年09月28日(日) 00時09分

望まぬ勧誘電話に罰金、実施寸前裁判所「待った」 米国朝日新聞

 セールス電話を拒否したい人をリスト登録し、違反した業者に高額の罰金を科す米連邦取引委員会の規制が、言論の自由などを侵害するおそれがあるとの司法判断によって「待った」をかけられた。しつこく悪質な勧誘電話は米国で社会問題になっており、すでに5000万件以上の電話番号が「拒否登録」されている。セールストークに言論の自由を認めるかどうかが、今後の上級審での焦点になる。

 規制は、登録された電話番号を業者に示し、その番号にかけていないかを取引委が定期的にチェックする。違反があった場合には各番号について最高1万1000ドル(約120万円)の罰金が科せられる。業者には死活的な規制とされる。

 取引委は6月下旬からオンラインによる登録受け付けを始めた。これに対し業界団体の米ダイレクト・マーケティング協会などが複数の州の連邦地裁に提訴。オクラホマ連邦地裁が24日、「取引委には規制を行う法的権限がなく連邦議会の委託が必要」とする差し止め命令を出した。

 規制実施が10月1日に迫っているため、規制を求めていた議員らは翌25日、リスト作成を取引委に委託する法案を急きょ提出。わずか1日で上下両院とも圧倒的多数で法案を可決し、ブッシュ大統領の署名で発効する運びになった。

 ところが同じ日、デンバー連邦地裁(コロラド州)が、規制は言論の自由など憲法で認められた権利を侵害する恐れがあるとの判断を示した。さらに、規制がセールス電話だけを対象とし、慈善事業や政治目的の勧誘電話は除外していることに疑問を呈した。

 実施寸前でかかったストップに、取引委は「憲法は、電話を拒否するという消費者の選択権を認めている」と反論。連邦議員の間でも「(拒否した)5000万人の方が誤っていることはない」といった声が圧倒的だ。

 こうした事態に、取引委は罰金を当面免除することにし、デンバー連邦高裁に控訴した。米メディアによれば、同高裁は規制実施を擁護する見解を示している。だがその場合も制度上、地裁判断を覆すには時間がかかるため、予定通りの規制開始は困難と見られている。(09/28 00:09)

http://www.asahi.com/international/update/0928/001.html